羽生ノート

羽生一家玉組座長・羽生まゆみが気儘に綴る日々雑感です。
8年

テレビが壊れた。びっくりした。なんの徴候もなく突然死んだ。

ついさっきまで元気に働いていたのに、一度切って30分後に電源を入れたらすでにお亡くなりになっていた。音も画像もなく、電源マークが赤い点滅を繰り返すだけ。赤‥赤‥‥赤‥赤‥‥赤‥赤‥‥‥虚しい。

あきらめきれず、復活方法をネットで探した。

「テレビ 電源」と入力しただけで「テレビ 電源 点滅」と入力補助が一番上に出てきた。

「なんとっ、赤‥赤‥で困っている人は大勢居るんだ!」と、お顔も存じ上げない皆さま方にどっと親近感がわいた。ああ、私は孤独ではない‥‥‥

仲間の皆さまがお書きになったものを読むと、けっこう笑えた。

「まだ暖房を入れていないのですが、寒いからでしょうか?」

これは冗談なのだろうか、本気の質問なのだろうか。冗談だとしたらまだ余裕がある。

質問はたくさんあり答えもたくさんあったが、わかったのは修理代が高くつくので買い直した方がよいであろうということ。うちの場合購入から8年はたっており、これはもう寿命と考えてよいようだ。

地デジ完全移行のせいで、壊れてもいないのに購入したのがこの液晶テレビであった。私は長い間テレビが大嫌いだったから、壊れてもいないテレビを買い替えるのが大へん不満だった。でも仕方がない。まったく観ないというわけにもいかない。

家近のヤマダ電機に出かけたのを覚えている。何インチにするかめっちゃ迷った。お店のスタッフは大きいものを勧めるが、大きなテレビが部屋にどーんとあるのを想像しただけでげんなりする。おバカの部屋に見える。

結局32インチに決めたが、最後まで不安だった。

「大きすぎないかなあ。テレビが目立つのはヤだなあ」

私がぶつぶつ言っていると、店員さんはいいかげんにしろとばかりにきっぱり言った。

「でもこの大きさはふつう寝室用です。二台目のテレビ」

あらま。ちょっと恥ずかしい。

今回も寝室用サイズである。同じ32インチ。でも奮発してブルーレイレコーダーもつけておいた。

ヤマダ電機さんが丁寧な説明とともにいろいろお安くしてくれたようだが正直なところあんまりよくわかんなかった。それよりパナソニックフェアとかで、帰りにハンドソープや入浴剤などが詰まった紙袋を持たせてくれたのがチョー嬉しかった。よくわからない計算より、目先の現物に弱いね。

それにしても前回買替えてから8年。この8年のあいだに私がすっかりテレビ好きになってしまったことを告白しなくてはならない。

ここ数日テレビのない生活を送っているわけだが、リビングの椅子に座ると同時に、反射的に右を向いてしまうのは、右にテレビがあるからだ。点いてもいないテレビ画面を見てしまう自分に愕然とするね。

そういえば首の可動域が左より右の方があきらかに広い。間違いなくテレビの観すぎに起因している。情けないことである。

 

ユニディでモスグリーンのペンキを買ってきた。テレビ台に塗るためである。前から塗りたかったのだが、テレビからあっちこっちに伸びているコードを引き抜くのが恐ろしくてできなかった。

この機会を逃したら次のチャンスは8年後だろう。

| 羽生まゆみ | - | 20:40 | - | -
餃子の皮(体幹トレ日記96)

モヒカントレーナー病気のため、トレーニングが急遽中止になった。見本みたいな鬼の霍乱である。

高熱だと聞いたので風邪だと思っていたのだが、急性扁桃炎の診断であった。救急病院に行ったというからよほど悪かったのだろう。

というわけで久々に会ったけど思いのほか元気そうだった。

「羽生さんが怒らせるからこうなった」

でかい声の出しすぎで喉が痛くなったと言う。知るもんか。菌だろ、菌!

一事が万事、悪い出来事はみんな私のせいなので今更この程度の悪態では腹も立たない。

「じゃあ今日は(上手にできなくても)怒鳴られないからラッキーだわ」

「大丈夫。なぐるから」

冗談に聞こえないから怖い。ここは日大アメフト部か。

中四日も空いたので「ミット打ちやりたい。腕立200回でもいいぞ」と張り切っていたのだが、結局ストレッチしかやらなかった。

腰に貼ってあったシップ薬を取り忘れていて、腰痛がバレたからである。

「腰が痛いの?」

「‥‥‥」

実はトレーニングが急遽お休みになったので、代わりにジェクサー新宿へ行ったのだ。何をやるのかわからないまま参加したスタジオレッスンで痛めてしまった。骨盤トレは私には向いていないと学習しただけのレッスンだった。

「俺がシップに気づかなかったら黙っているつもりだったな」

そのとおりである。私は昭和の女だから根性論で生きている。

「今日はもうやらない。ストレッチ」

あ〜あ、結局怒らせちまった。痛いところがあったら申告しなくてはいけないと100万回くらい言われてきた。でもしない。たぶんこれからもしないだろう。

ストレッチと言っても皆さんが想像しているストレッチとは違うよ。ストレッチやるくらいなら腕立て300回やる方がマシである。そりゃあもう痛いんだから。どのくらい痛いかと言うと、説明できないくらい痛い。

特に痛いのが仕上げに行われるSMショーである。見るからに恐ろしげな棒状の器具で足やらお尻やらをゴロゴロされる。その痛さといったらとんでもない。「うげげげげ!」と叫びながら、のたうちまわる。昭和の女の根性論もここでは通用しない。

「やりづらいっ。じっとしとけって言ってるだろ。今度動いたら100倍痛くするぞ」

餃子の皮じゃあるまいし、棒で伸ばされてじっとしていられるわけないじゃないか、バカ!

 

とは言っても、ストレッチの後は坐骨神経症の痛みが消えているのだ。

そんなわけで私はすべてを許してしまう。「おかげで痛みが取れました」と拝みたくなる。

DV夫にマインドコントロールされている妻とはこんな心境なんだろうと思う。

| 羽生まゆみ | - | 18:47 | - | -
最悪だ

上手な羽生ノートが書けなくなっている。楽しみにしてくれている奇特な読者も3人くらいはいると思うのに申し訳ないことである。ごめんなさい。

めげずに書く。

 

書けない言い訳にするつもりはないが、体調が最悪だ。まさか私に体調が最悪な日々が来ようとは。風邪もひかない元気者だったのに。稽古場を休んだのは一回だけ。『ウサギのダンス』という劇団旗揚げ前の稽古場で、高熱のためどうにもこうにも頭が枕から上がらなかった。

劇団を揚げてからはいっぺんだって休んだことはない。20年間ひたすら元気だったのだ。

一つ悪くなると芋づる式にあちこち悪くなっていくね。メンタルにまで影響を及ぼしてくる。あんなに大好きだったトレーニングに気合いが入らないのもそのせいだろう。おかげでどんどん身体がタルタルソースになって、それでますます具合が悪くなる。悪循環だ。トレーナーのひと言にブチ切れたりもする。現在、4年間で最悪の仲の悪さだ。

先週は二度ばかり夕食が消化しなくて「ぐるじい。ごれはもう吐ぐしかない」と、吐いた。これでやせ細ってくれれば吐いた甲斐もあるというものだが、ちっともやせ細らない。

昨夜は夜中の2時に坐骨神経症の痛みで目が覚めた。歩いていると痛みが引くので暗い部屋をうろうろしながら、「私、どうなっちゃうんだろう」と不安に駆られた。最悪だ。ふとEricoからのラインに気が付いたので返信しておいた。ちょっとだけ「ひとりぼっちじゃない感」が湧いてきて救われた。

幸いメニエールは出ていない。あれだけは嫌だ。我慢できない。ただ時々左耳が塞がるのと耳鳴りがする。耳鳴りは秋の野山状態で、虫がリンリンコロコロ良い声で鳴いている。我慢できないことはないからまあいいや。今も微かにジージー鳴いている。私に二度と静寂は訪れないのかもしれないが、でも仕方がない。耳鳴りで死ぬことはない。坐骨神経症でもね。

 

西城秀樹は死んじゃった。

小学生から数年前まで、私にとってのアイドルは常にお相撲さんだったから、西城さんに特段興味もなかった。しかしこの頃昔の映像を拝見するにおよび、歌っているお姿に「こんなにかっこ良かったんだ」とびっくり仰天なのであった。

「若いってすばらしい」と、これは『水曜どうでしょう』を観るたびに大泉洋ちゃんに向かって言っている台詞だが、同じ台詞をヒデキにも100回捧げたい。若いってホントに素晴らしい。

斎場のお花が、きれいだったなあ。高畑監督のお別れ会のときの、山野草系の花も美しかったけど、昭和のスターにふさわしい豪華さと、飾りつけのオシャレ度に感心した。この頃の有名人は家族だけの密葬が多いけど、スターはやっぱり豪華な葬儀をやってもらいたいというのが、シロートの私の勝手な願いである。

 

私も昇る(堕ちる)なら、お花がたくさん咲いている季節がいいなあ。

『サンタクロース〜』で「雪の葬式はいい」なんて書いたけど、ウソです。

 

| 羽生まゆみ | - | 18:04 | - | -
今日のできごと

Ericoからお茶のお誘いがあって少しビビった。なにしろわざわざトレーニングスタジオの近くまで出張ってきた。もしかしたらまた良くないお話なのかもしれない。役者のお話の80%が良くないお話である。

なんてことなかった。突然ヒマができたらしい。役者からの呼び出しやらお電話にびくつくのはいいかげんやめたいものだ。

 

よかったよまったく。私はこのところ、置いてけぼりの子犬のように元気がないのだ。これ以上弱りたくない。

体調がもう一つである。右側のお尻が痛い。しかも足がしびれる。どうやら坐骨神経痛らしい。ある朝、目覚めたら突然なっていた。生まれたての子鹿のように足が立たなかった。びっくりした。

病院に行ったら「原因は加齢」だとさ。膝痛のときも肩痛のときも「原因は加齢」と言われた。なんだよ加齢って。加齢と言えば私が納得すると思ったら大間違いである。絶対に認めないぞ。

今日はついに、一生黙っている覚悟だったモヒカントレーナーにまで尻痛を告白するはめになった。だってごまかしようがないくらいトレーニングがダメダメだったのだ。トレーニングがダメダメだと一番へこたれる。つい告白してしまったの身体より心が弱っていたせいだ。

このままジャンプが思い切りできなかったり、長い時間走れなかったり、できない腹筋がますますできなくなったらどうしようと不安はつのる。トレーニングに関してはほとんど脅迫神経症で、「休む」ことや「手を抜く」ことを考えただけで気持ちが沈む。(私はバレエダンサーかっ)

負けないぞっ。必ず治してやる。こういうときこそ鍛えた筋肉が物を言うはずだ。

 

気持がほんわかすることもあった。

『サンタクロース〜』のDVDを観た優太のママから素敵なお手紙をいただいたのだ。

私はよく役者たちに、「ご両親に観てもらえ」と言う。小劇場という、なんだかよくわからないことをやっている息子や娘を、ママが心配していないわけがない。私の芝居はそんなママたちに少しの安心を差し上げることができる。玉組を観たからといって心配が消えるわけではもちろんないが、それでも小劇場にありがちの「暗い・わからん・貧乏臭い」の三点セットがないだけでも、ママはホッとするだろう。

もしこれが初めて観る息子の芝居なら、「息子はそれほどバカなことをやっているわけでもないらしい」と思ってもらえるかもしれない。

| 羽生まゆみ | - | 23:16 | - | -
お出かけしたい

多摩動物公園に行こうと思ったらめっちゃ寒くて中止にした。暑かったり寒かったり、みんな言っているけど今年の春は確かに気候がおかしい。

春の期間だけ、どこかに行きたいと意欲が出る。家の外に出たい。でも私が一人で行ける場所は京王線と小田急線以外では限られているので、結局映画館へ出かけるのがせいぜいだ。あと動物園と美術展くらい。芝居を観ろよと言われそうだが、芝居なんか自分が創ったもの以外はあんまり好きじゃない。(ひぇ〜、大バッシングを浴びそうだ)

でもさ、芝居の公演て(当たり前だけど)予約しなくちゃいけないから面倒だよね。映画と違ってふらっと行けないもの。ネットの予約画面を開いただけでげんなりして「やめよう」と思う。いかんいかん、こんなこと書いたら予約をしてくださる玉組のお客さんに失礼だ。ごめんなさい。

たぶん私が特別めんどくさがり屋さんなのだと思う。つーか特別予約画面が嫌いな人に違いない。そういえばトレーニングスタジオでも、私が予約フォームをガン無視なのでしょっちゅう文句を言われている。

「なんで俺が(予約入力を)やらなくちゃいけないんだよ」

まったくそのとおりである。

 

映画といえば初めて『太陽がいっぱい』を観た。前から観たいと思っていたのだが、なにしろネットを駆使することのない私に古い映画のリバイバル上映の情報は届かず、やっと念願を果たしたの感である。イタリアが舞台のフランス語で喋る作品だ。

ラスト間際のシーン、「太陽がいっぱいだ」の台詞に感動してしまった。声は出さなかったが思わずオオッてな感じに息を吸い込んだね。タイトルを台詞から取っているとはちっとも知らなかった。やっぱり「情景描写」で表現された「気持ち」は胸に響くわ。

『太陽〜』は、二枚目俳優アラン・ドロンのアイドル映画だと思っていたらとんだ大間違いなのであった。

楽しかった。ピカレスクロマンが好きである。

 

あと、『プラド美術館展』に行った。

羽生ノートでもよく「私にはこんな高尚な趣味がありましてよ」ばかりに美術展の話を書いているが、実は絵に造詣が深いわけでは全然ない。ばれていると思うけど、造詣はかなり浅い。水深5僂らいだ。

私が上野の美術館にちょいちょい行くのはミーハーな心持ちからである。

「美術の教科書に出ていたあの絵が今私の目の前に! 本物だーっ! ナマで観ている!」

伊勢丹の近くで芸能人見かけたときの感想とほぼ一緒である。

今回の目的はベラスケスの描いた『フェリペ四世』。前から「変な顔の王様だなあ」と興味津々だったのだ。

やっぱり行って良かった。フェリペ四世は確かに変な顔だったけど優しそうだった。

私が王様や王妃様の肖像画に心惹かれるのは、そこによく知られた物語があるからだと思う。たとえばフェリペ四世の一族には脈々と続いた血族結婚の弊害があるとかね。そんな物語に胸打たれる。

造詣とはまったく関係が無い。

 

さあ、次はどこへ行こう。

| 羽生まゆみ | - | 23:22 | - | -
NASに帰ろう

毎晩「世界卓球」を楽しく見ていた。やっぱりダメだったか。中国はすごいね。

前々日みなさんご存知のとおりの騒ぎが起こり、抗議をしない日本卓球協会の悪口をここにたっぷり書いていたところだったのだが、しかし選手たちの美しい戦いぶりを見ていたらばかばかしくなってやめた。

選手達に引き比べて、最近羽生ノートにうっぷん晴らしばっか書いている自分がつくづく恥ずかしくなってしまったよ。

とは言え、少しだけ遠回しに書いておく。

誇り高きテニスの国際試合でこんなことはありえないということだ。デビスカップの準々決勝で二つの国がいきなり「戦いたくないから合同チームで」なんて言うわけがない。デ杯100年の歴史なればこそ、である。

(このくらいにしておこう。遠回しすぎていたらごめんなさい。)

 

踊りたい。

で、来月からNASに復帰しようと思う。『サンタクロース〜』の稽古に入るときに休会届を出して以来今日に至っているから、あっという間に8ヶ月も休んでしまった。

たまーにジェクサー新宿へ行ったりしたのだが、なんか恐ろしいところで結局馴染めなかった。

規模の大きいフィットネスクラブは更衣室が苦手である。テキパキ効率よく着替えるということが私にはできないので、左右後ろの皆さんに多大なご迷惑をかける。なんやかやで1度の着替えで30回くらい「ごめんなさい」を言うことになる。

何も悪いことはしていないときも謝る。あとから来た人が隣りのロッカーを開けただけで「ごめんなさい」と謝ってしまうのだ。私が居るせいでロッカーが開けにくくてごめんね、という気持ちになるのである。完全に気持ちで負けている。

急げ急げと気持ちがせくのでつらい。洋服やリュックを狭いロッカーにぎゅうぎゅう押し込みながら、毎回泣きそうになっていた。なんとか押し込めたとたん、「あ、シューズ出すのを忘れてた」なんてことになる。マジ涙ぐむね。

ダンス系スタジオレッスンがまたつらい。一応新人なので遠慮して2列目で踊るのだが、最前列のオバサマたちがめっちゃ怖いのだ。踊りながら「ヒューゥ」とか「フーゥ」とか叫ぶし、先だってなんかむこうが私にぶつかっておきながら「ちゃんと歩いて!」と私のせいにされた。びっくりした。ここは午前八時、京王線の新宿駅ホームかっ。

「あんたのリズムが正しかったら私とぶつかんないんだよっ」と言い返してやりたかったが、テキパキ踊るのに忙しくてそんなヒマはなかった。(着替えはテキパキできないが踊りはテキパキできる。)

そう、最前列のオバサマ方のリズムはビミョーにずれている。なぜか0.5カウント、手も足も早めに飛び出る。

 

あ、またうっぷん晴らししちゃった。

| 羽生まゆみ | - | 00:12 | - | -
つながる愛

そっかあ、麻理枝は関ジャニすばるくんの脱退にも心を痛めていたのね。不謹慎ながらちょびっと笑った。ジャニヲタ族の方々は特定のグループだけではなく、ジャニーズそのもののファンなのだ。気持ちはわかる。かつてスモジョ族だった私が藤島部屋(後の二子山部屋)全員の力士を応援していたのと同じであろう。

ちなみに現在私は相撲ファンではないが、時々眦沈酩屋のHPを開けて、力士の皆さまの近況を気にかけてはいる。だからこのたび白鷹山がめでたく十両に上がったことも知っている。

眦沈酩屋は、藤島部屋で最初に関取になったお相撲さん関脇安芸乃島の部屋である。つまり今は亡き大関貴乃花(元藤島親方)に注ぐ私の愛が安芸乃島へとつながり、安芸乃島が興した眦沈酩屋を愛し、そこに所属する力士たち(輝や竜電や白鷹山)に対する愛へと続くのだ。

麻理枝もジャニー喜多川さんを愛しているのね、きっと。

 

大型連休とはいえ私には変わり映えのない日々である。Ericoにお茶でもしないかとメールしたら、連休は忙しいとの返信。

残念ながら私とのお茶が「重たくも嫌でも気分悪くもならない人」がErico以外に思い当たらず、「ま、いっか」と結局一人である。連休に限らずいつも一人なんだけど。じゃあなんか書けよと自らを叱咤激励するが、なーもやる気起こらん。

トレーニングもお休みである。(トレーナーは今日から沖縄に休暇旅行だ。)まあこの機会に私もゆっくり身体を休めよう。4日間も空くのでいくらなんでも筋肉痛とはすっかりサヨナラできるだろう。そして来週からまた頑張る。

なんてことを考えながら道をとぼとぼ歩いていたら、昨年までお世話になっていた整骨院のりらくさんにバッタリ会った。

「羽生さん!」

「あらま。こんにちは」

「お久しぶりです。どうですか? 元気ですか?」

「ううん、あんまり元気じゃない」

と、ここも痛いあそこも痛いと訴える。

「あなたが私の担当に入ってくれなくなったから行くのやめたんだからね」

やっぱりという顔をする。どうやら営業のシステムが変わり、「僕じゃどうしようもないことになって」とのことである。

ではやっぱり行けない。他の人ではダメだ。

私は彼の、施術中しゃべらないところが気に入っていたのだ。集中と真剣さが伝わってくる。

それと一番感動したのは、「絶対に治しますから」と言い切ったところだ。「やる気」は口にするから「やる気」なのである。

いいのだ、頑張ったのなら治せなくても。私が好きなのは「気概」である。

「やります。僕やりますから来てください」

というわけで、いずれ行ってみることにした。こういうことがあると運命論者の私は「神様が行けと言っているのね」と思ってしまうのだ。

 

みなさま、よい連休を。(演劇関係者はかえって忙しいのかもね)

| 羽生まゆみ | - | 18:03 | - | -
棟梁の事件で思うこと

TOKIOの山口くんがやらかしてしまった。

私は大工と僧侶にエロエロなので、大工仕事が得意な彼のことはかねてより注目していたのだ。名前がはっきりわからなかったので心の中で「棟梁」と呼んで親しんでいた。「あっ、棟梁がまた叩いてる」と、ついTVのチャンネルを替えるのも忘れて、彼が釘を叩く姿に見惚れていたものである。

 

で、記者会見である。

かなりじっくり観た。元々ファンであったことを差し引いても、とても誠実な会見であったように感じた。今批判を浴びている「席があるならTOKIOに戻りたい発言」も、振り絞るように発したその言葉が私の胸には深く突き刺さったので、連日の集中砲火がちょっと意外な感じがする。

私の受け取り方や読解がなにか間違っているのかもしれないが、とにかく長い会見の中で、そこが最も胸打たれるシーンだったのだ。私にはね。

やはり批判の対象になっている「救われた」という言葉も、私には納得のいくものだった。

「ひとりの人間の未来が全て奪われてしまうことを望んでいない」

記者会見冒頭、弁護士が被害者の親御さんの手紙を読み上げたとき、山口くんのほっぺたを涙がつーっとつたったよ。「さもありなん」と思った。「良かったね、救われたね、棟梁」って、思ったもん。立派な親御さんだ。

上手な会見ではなかったかもしれない。でもそのぶん正直な会見だった。

正直だったから、たぶん私の胸を打ったのだ。

あたりまえだけど怒っていたなあ、リーダーと国分くん。

でもここまでだ。つまり「テレビでは」ということ。来週からは、怒りや意見は本人だけに言えばよい。カメラではなく。

彼と縁を切るのか切らないのか、それを決めるのはTOKIOのメンバー自身だ。保身を考えず、偽善に犯されず、「正直」に結論してほしいなあ。たとえ耳障りは良くても「嘘」は胡散臭さをかもし出す。そして願わくば、山口くんを助けてあげてほしい。親御さんの手紙の言葉に免じて許してあげることはできないだろうか。

横山やすしを殺したのは芸能レポーターだが、助かったかもしれない命を救わなかったのは西川きよしだということ。

これから棟梁には「断酒」という永く苦しい道のりがある。私はアル中探偵マッド・スカダーシリーズ(ローレンス・ブロック)の愛読者だからアル中にはちょっと詳しいのだ。

みんなで支えてあげないと棟梁、やすしさんみたいに肝硬変で死んじゃうよ。

 

声高な「正義」を胡散臭いと感じる人も居る。つまり私のような人間だ。きっと私以外にも居ると思う。

| 羽生まゆみ | - | 00:07 | - | -
カタクリ

良い季節だ。出不精の私もさすがに出かけたくなる。しかしあいかわらず家でじっとしている。せいぜい映画館へ行ったくらいだ。

映画館と季節は関係がない。家でも映画館でもじっとしていることに変わりはないし、むしろ暗いぶん映画館の方がじっと感は大きいくらいである。観たのは『ドラえもん』。何の感動もなかった。どうして観ようと思い立ったのかわからない。

 

そうそう、スタジオの皆さまと人生2度目の登山(途中までリフトに乗った高尾山を除く)に行こうともした。でも雨天中止。なんだよっ、万障繰り合わせての一大決心だったのに。奥多摩にそびえる御前山。カタクリが自生していて今が開花の季節だというので楽しみにしていたのだ。

一緒に行くオーナーにもウキウキしながら釘を刺したものだ。

「今度は登山のカッコじゃないとダメだからね」

前回の御岳山&大岳山のときは、登山靴は履いていたもののお衣装はジーンズだったのである。ダメよダーリン、お衣装に手を抜いては。雰囲気が出ないもの。

私自身は故障を抱える左膝にサポーターを装着して当日までの日々をすごした。このところ膝は痛くもなんともないのだが、万が一グキッとなったら取り返しがつかないと思って万全を期した。膝痛で登頂断念なんてかっこ悪すぎる。

トレーニングも「体調を絶好調にしておきたいから軽めにね」とお願いしたが、もちろん何の手加減もしてもらえなかった。お願いが通ることは絶対にないとわかっているのにお願いしてしまう自分が情けない。

これほど気合いの入った山行きだったのである。

あー悔しい。こんなにお天気の良い日々が続く春はめったにないのに、どうして万障繰り合わせてのとっておきの一日が雨なのか。私のツキの無さったら格別だね。山くらい登らせてくれてもいいじゃん!

とうぜん今はもう、膝のサポーターは取り外している。グキでもポキッでもかまうものか。ふんっ。

 

とまあ、そんな最近の私です。

この素晴らしい季節、誰か私を山に誘ってくださいませ。(経験者求む。さすがに一人で登るのは恐い)

登山が趣味なんて健康的なヒト、演劇関係者では居なさそうだ。

演劇関係者ではないのだが実は一人だけ心当たりがある。毎週高尾山に登っている。若くハンサムなスポーツマンで、一日に高尾山を二往復する。どうして同じ山に二回登るのかわからんが、たぶん一回だと物足りないのだろう。問題は私のことが「好き」か「嫌い」か「どっちとも言えない」かわからないので、とても「連れて行け」とは言えないことだ。それと、高尾山以外に興味があるのかも知らん。

あー、山に行きたい。

雨天中止をリベンジしたい。森の匂いを嗅ぎたい。岩をよじ登りたい。

休憩中に膝をぐりぐりしながら「ちょっと痛い」とかも言ってみたい。

| 羽生まゆみ | - | 18:06 | - | -
私の稽古場

『プリンセス・ショック』で「花笠音頭」を踊ったのは良い思い出だ。ハジメ、準一、由紀、Erico と、手練れの者が多かった。シロートなはずのマチャがとても可愛かったのをよく覚えている。稽古場で必ず毎日踊った。稽古の必要もさることながら、私が楽しかったからだ。

ある日、振付・指導を仰いだ藤間紫恵乃先生がおっしゃった。

「石井さんの踊りは味があるから、うるさいことは言わずこのままにしておきましょうか」

私に否やはなかった。石井の持った花笠が他大勢の花笠と角度が違っていてもかまうものか。そんなことはたいした問題じゃない。味がある方がずっと良い。

 

何が言いたいか‥‥‥以下に書く。

 

たとえば石井は、ワークショップで日舞をやることになったら絶対インフルエンザにかかって休むだろう。私が石井んちのドアを蹴破って稽古に引きずってきても、昔私がエチュードでどん引きしていたように、稽古場でどん引きしていたに違いない。

『プリンセス〜』で石井が似合わない「日舞」を引かずに稽古したのは、物語の中でそのシーンを面白いと理解したからにほかならない。そこに「台本」という物語があったからだ。一条天皇という役を通して、石井は日舞を楽しんだのである。

私がほしいのは舞踊家としての技量ではない。役者としての表現力だ。

「あの役者の踊り、うまかないんだけどなーんかいいんだよね」

そんなふうに思ってニンマリしたい。

それは、作品を完成させるための「創作」という作業の中で生まれると信じている。役者は稽古してナンボである。しかし稽古が役者の本分ではない。役者の本分は表現することだ。役者は台詞が喋りたくて、表現したくて、役者になったのだから。

だから、「稽古=技術力」とは断じて思わない。稽古は「何かを生む」ためにあるのだと、私は思う。

 

私の役者達が、稽古のあと公園で木剣を振るのは、稽古の前にマックで台詞を合わせるのも、稽古場が充実しているがゆえである。

充実の不足した座組で、どうして役者が自ら動くだろう。チームワークが生まれるだろう。

私の役者達は私がガミガミ言わなくても当たり前のように稽古を休まない。

稽古はつらい。泣くこともある。前回の稽古場で優太がどんなにつらかっただろうと思うと、泣かした私が泣きそうになる。でも優太は決して稽古を休まなかった。

そして優太は、苦しみに勝る喜びを得たと信じる。100回の「ワークショップ」をやるより早く、優太は「本番のための稽古」で役者になったと信じる。

 

劇団ピンクノイズの役者、山田京太郎が退団した。

「本番しかしたくない」と言ったそうだ。(「本番のための稽古しかしたくない」という意味だろうと思う。いきなり本番ができるわけないからね)

この言葉への意見はさまざまにあるだろう。けれど私は、彼の気持ちが理解できる。

本番の舞台で生きたい。

これは役者の当然ながらの衝動である。この衝動がない役者は役者をやめた方がよいと思う。

私にも、「舞台に出たい」と血を吐きそうなほどに念じた日々がある。

 

さて、少し玉組を動かしてみようか。

私の衝動は「書きたい」だ。

 

オワリ

| 羽生まゆみ | - | 00:02 | - | -
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< June 2018 >>

このページの先頭へ


みんなのブログポータル JUGEM