羽生ノート

羽生一家玉組座長・羽生まゆみが気儘に綴る日々雑感です。
賀正メール(稽古場日記5)

稽古も佳境の四場である。

ここは稽古するのが、やる前から気が重たくてしかたなかった。役者の芝居がヘタ過ぎてガクーッとへこたれるに違いないと想像していたからである。そんなわけで稽古したくなかったけど、そういうわけにもいかないので今日初めてちゃんとやってみた。

なんか知らんがわりと良かった。

なんか知らんがEricoはちゃんと喋るし、なんか知らんが純一の受けがいちいち決まる。

ちょっと気が楽になった。

いやいやまだ油断はできない。私が「きっとひどいに違いない」と思い込んでいたせいで衝撃が薄められただけだったのかもしれない。

さて、今回は一時間に凝縮されているせいか、私が創る芝居の特徴がよく目立つ。全編通して過去を語り、死者を語る。私の芝居ではたびたび主題となるレクイエムである。

鎮魂の対象が誰であるかはまだ言えない。Ericoに怒られる。残念である。いろいろ喋りたい。

玉組をいつもごらんになっているお客様には「ああ、安定のいつものやつだ」と思っていただき、新しいお客様には私の創る「物語」を楽しんでいただければと願う。

 

せんだって稽古場で雅紀の噂話をしたら、翌日雅紀からメールがきた。

年明けの挨拶かと思って大喜びで開けたら芝居の宣伝だった。なんだよっ。

いちおう明けましておめでとうの挨拶はあったが、こっちの方がついでであることは間違いない。

先ず年始の挨拶、それから二週間後に宣伝。二つに分けろっ! と思った。

まあよい。麻理枝とEricoを除けば役者で挨拶メールがあったのは優太くらいだ。次回、もし優太が玉組の舞台に立つことがあったら台詞10個は増えるね。

純一でさえ挨拶なしだから他の者のメールなんて端から期待していない。全然していないし。ホントにしてないもん。

Ericoは正月前純一に、羽生さんにメールするようにと進言しようとしたらしい。しかしいくらなんでも今回はするだろうと思って余計なお世話はやめておいたら、やっぱりしなかったと言っていた。

稽古場でそれを聞いた純一がめっちゃ渋い顔をしていた。

 

いいのよ、純一。もちろんそんなことは問題ではないわ。あなたがとびっきりステキな芝居さえしてくれれば。

素晴らしい俳優でいてね。私の望みはそれだけよ。メールなんて全然。ホントに全然。ホントよ。ホントだから。

 

| 羽生まゆみ | シリウス、あるいは犬の星 | 00:45 | - | -
通過する(稽古場日記4)

音響のゆうくんと歌唱指導のまきちゃんが来てくれたので稽古場が賑やかだった。

なにしろ毎日4人ぽっちで稽古しているのでとっても寂しいのである。いつもの稽古場だったら喋らない(無駄なエネルギーを使わない)純一でさえ、なんとかせねばと頑張って喋っている有り様だ。

これまでの作品の中でもちょいちょい歌シーンは作ってきたが、ちゃんとした歌唱指導をやってもらうのは初めてである。いったいこれまでどうやって仕上げていたのだろうかとふと疑問に思い、Ericoに訊いた。すると、

「羽生さんが『うーん、なんか気持ち悪い』とか言いながら」

ええっ! そんなんで仕上げていたのか。びっくりだ。役者たちがよく私の悪口を言わなかったものである。私だったら言うね。

BGMについては今回作曲家がいる。久々のオリジナル曲である。歌の楽曲もあっという間にオケを作ってくれたから本当にありがたかった。テーマ曲もすでに上がっている。

曲に手を加えるのはゆうくんだ。ゆうくんが楽器を足したり変えたりイロイロしながらBGMとして完成させる。プランもゆうくんである。

まきちゃんとゆうくんは私を挟んで左右に座っていたのだが、歌練の間に何か問題が発生するとプロらしくすぐさま打合せが行われる。専門用語がびゅーん、びゅーんと、私の目の前を右から左へ、左から右へと通過するのである。私はウインブルドンの観客のように、ただ頭を右や左に振っているだけであった。

などと呑気なことを言っているが、各スタッフさんは私と組むのが初めてだからさぞ不安だろうと思う。私は、私が何を希望し、どんなイメージを描いているかを、本来具体的に提示するべきなのだろうと思う。

しかし謝るほかはない。私にはそれができない。それができないポンコツの演出家なのである。スタッフだけではなく、ある意味役者に対しても同じである。イメージを訊かれるとただ困惑して佇んでしまう。

 

ところで、このところEricoがあっちやらこっちやらに忘れものをするから心配だ。今回稽古が始まってから電車やらバスにバッグや化粧ポーチを置き忘れているし、昨日は稽古場に借り物のマイクスタンドを置きっぱにした。あー心配。

これからEricoとどこかへ行くたびに大事なものは私が預かり、帰る際私が「Erico、忘れものない?」と言わねばならぬのだろーか。これまでEricoが私にやってくれたように。

メンドクサイ。

| 羽生まゆみ | - | 23:58 | - | -
もっと褒めよう(練習生日記3)

昨日は宣言どおり稽古前にボクシングジムで汗を流した。

やっぱり運動すると気分もいいし体調もいい。

平日の昼間だったせでジムはがらんとしていた。このあたり、やはり住宅地のフィットネスクラブとは様子が違う。住宅地のジムだと元気なマダムたちで昼間の方が圧倒的に混雑しているもの。

トレーナーも二人だけだった。顔なじみのチーフトレーナーと初めて会うトレーナー。トレーナーは次から次へと新顔登場で名前が覚えられない。トレーナーの方は初めてでも必ず私を「羽生さん」と呼ぶから、私が更衣室に居る間に名前を確認するのだと思う。

この初顔トレーナーが昨日は面倒を見てくれた。ミット打ちは2ラウンドと決められていて、楽しいのにあっさり終わってしまう。10ラウンドくらいやってヘトヘトになりたいとよく思う。

当然だけど、同じミット打ちでもトレーナーたちはそれぞれ指導法が違う。細かく止めてフォームの修正をする人もいれば、とにかく気持ちよく打たせてくれる人もいる。私はまだ初心者だから両方大事で、毎回トレーナーが変わるのがけっこう楽しい。

みんな親切で優しい。モヒカントレーナーとは大違いだ。でもボクシングでも筋トレでもダメは同じことを言われている。

「アゴを下げて」

このダメが一番多い。

モヒカントレーナーに言われるとムッとしていたが、こちらでは「あーん、またやっちゃった」と可愛く受け答えている。

それにしてもよっぽど上がっているんだなあ、私のアゴ。苦笑する。自分ではわからないのだ。

そこで反省するのが役者へのダメである。一回で直さないとすぐイラッとしてしまう。そんなに直したくないならこの台詞カットしてやると思うくらいだ。現にカットしちゃうし。

いかんいかん、もっと大きく広い心で役者を見なくてはね。

 

昨日のボクシングの練習は稽古前だったので1時間で切り上げた。

ストレッチをやっていたらチーフトレーナーが来てくれた。

「今日は早いですね」

「はい。このあとちょっと用事があるので」

「そうですか。こういう、人が居ないときにディフェンスのやり方を教えたかったんだけど」

え? 稽古なんかどうでもいいからすぐさまもう一回グローブを装着したくなった。

「羽生さん上達が早いから。フォームもきれいだし」

ええーっ。喜びで心が震えたね。犬だったらブンブン尻尾振ったところである。

「やーん、チョー嬉しい」

可愛く受け答えた。「チョー」とか言っちゃって。

なぜだかわからんが、こちらでは「可愛い人」と思われたいらしい。

 

褒めるって大事ね。役者へのダメももっと褒め言葉入れよーっと。

と、思わず決意してしまった。

| 羽生まゆみ | 練習生日記 | 11:42 | - | -
軽く報告(稽古場日記3)

なんだかんだで始まった。

二人芝居なんて役者にとっては上手になる大チャンスである。この稽古を通して二人がちっとでも芝居が上手くなってくれれば私も嬉しい。なーんも変わらなかったら、私自身がいったい20年も何をしてきたんだということにもなる。

ヘタなので役者の芝居は不安だらけだが、舞台をどう飾るか決定したので、気にかかっていた不安が一つだけ減った。

長いこと美術の登子さんが描いてくれた絵を演出席に広げて稽古していたから、それが無いとどうにもつらいのだ。やりづらい。これまでどれだけ私が贅沢してきたかがわかる。登子さんとの出会いは演出の私が得た最も大きな幸運の一つだ。

そうそう、今日気づいたのだが、今回役者は壁に寄りかかることができるぞ。おおっ、新鮮! なにしろ普段は寄りかかるどころか触るのも禁止である。壁が揺れてしまう。だって、アレ、パネルだもん。ちょっとでも揺らすと私に叱られる。

なのでみなさん、ご期待下さい。今回は純一があっちやらこっちやらでステキに寄りかかってくれるでしょう。もしかしたら壁ドンだってあるかも。相手がEricoじゃなかったら見てみたいが、Ericoなので残念ながら即やめさせる。

佳美だったらやる。(佳美のそーゆーシーンの苦手っぷりがチョー面白いので)

 

ごめんね、明日があるのでもう寝る。明日は稽古前にちょっとサンドバッグ打ってくる。

ええーっ、羽生ノートよりそっちの方が大事なのかっ! と怒る関係者諸君のお顔が目に浮かぶが、うん、そうなの、そっちの方が大事なの。

今回は役者が二人だけで変わり映えがしないせいか、麻理枝の稽古場日記にやたら私も登場している。写真が載るならジムで汗を流して筋肉をピッとさせておかねばね。女優だから。

 

はっきり言って役者二人より私の方がよほどピッとしている。

| 羽生まゆみ | シリウス、あるいは犬の星 | 03:10 | - | -
謹賀新年

明けましておめでとうございます。

みなさまにとって健康でお幸せな一年でありますように。

 

新しい年が明けた。

年が明けるたびに、今年はどんな年になるのかなあと希望より不安を抱きつつ思う。

この頃はとにかく元気でいたいとそれだけだ。

今年もなんとか無事に乗り切れますように。

できたらほんのちょっと良いことがありますように。

他の人に優しくできる私でありますように。

そんなふうなことをそっと祈る。

 

Ericoと麻理枝からはさっそく年賀の電話があった。

Ericoはおおかた台詞が入ったようだ。立ってみると入っていたはずの台詞が出てこなかったりするけど、ま、とりあえず私もホッとする。役者が台詞を入れないと当然だけど私はなんにもできない。

同じ電話でEricoから、チケットを売るようにと催促された。

役者(制作デスクやプロデューサーも含めて)からチケットを売るよう言われたのは初めてである。

どうやら私は役者と競争してチケットを売らなければならないらしい。

しかし私はチケットを持っていないし、公演情報も2月1日から3日が公演日であることと会場を知っているだけで、チケット料金も公演時間も知らない。(私は玉組の公演のときもあんまりよくはわかっていないのだ)

どうやってチケットを売ればいいのか皆目わからない。

ネットでなんとかしろということか。

 

役者と競争しなくてはならないのなら、私の役者たちは私からチケットを購入してもらいたい。それが「義理」というものである。もしくは「スジ」と言う。

私はこれまで玉組の公演で、その公演のキャスト以外の役者にチケットを買ってほしいなどとお願いしたことはない。ノルマのあるキャストが売ればいいと思っていた。しかし今回はそうはいかない。なにしろ競争だから。

同じ理由で、ここをご覧になっている玉組のお客様に心よりのお願いを申し上げます。Ericoと純一に義理のないお客様につきましては、ぜひとも私からチケットを購入していただきたく、伏してお願い申し上げます。

こんなことをするのは初めてですが、下記にチケットの購入フォームを貼っておきます。

 

https://form1ssl.fc2.com/form/?id=42e50b380168790c

 

いろんなことをネットで処理するようになった。

芝居関係に限らず「私、そんなこと知らないけど」と抗議すれば、「へ?」という顔をされることがある。なんだか私にはわからない方法で「とっくに送ってある」、もしくは何かを「見ればわかる」のだそうだ。

ネットのことは私はわかりませんと居直るつもりはない。私もネットやPCを扱い慣れていない人にイラッとすることはままある。この頃Amazonですいすい買い物できるようになったから調子に乗っているのだ。でもこれは違う。謙虚であらねば。

 

新年早々あまり良い羽生ノートではなかった。

本年も羽生一家玉組をよろしくお願い申し上げます。

| 羽生まゆみ | シリウス、あるいは犬の星 | 05:41 | - | -
筋トレが足りない(練習生日記2)

週3の厳しい体幹トレーニングをいきなりやめてしまったので、体重の増加と筋肉量の減少が心配でたまらない。ほとんど脅迫神経症である。日に10回くらい全身鏡の前で肉体チェックをするヤーな女に成り下がっている。

元々ぽよぽよしていた下腹のお肉が、レベルが上がってぼよんぼよんしてきたのは確かである。どうしていいかわからない。トレーニングであれだけ苛められてもどうにもならなかった屈強の腹脂肪が、私一人でどうにかなるわけもない。

ボクシングが頼りではある。でもまだ始めたばかりの私は息も上がらず練習時間を過ごしている。サンドバッグ打ちを真剣にやればかなりゼエゼエなるはずだが、なにしろコンビネーションの種類が少なすぎて途中で飽きてくる。

素人なのでその日にシャドウで習ったやつをひたすら打つしかない。同じコンビネーションをずーっとやっている。たまにはウィービング(頭をU字に振って相手のパンチを除ける例のアレ)を入れるとか、1回のジャブを2回にしてみるとか応用編をやってみればいいのに、なんだか気恥ずかしいのだ。

そんなわけで飽きてくるし、手も痛い。自分で好きなときに勝手にやめられるので、これもいかん。飽きてくると、もうひと踏ん張りやろうという気にはなかなかなれないものである。

 

好きにやめられるということは好きなだけやれるということでもある。毎日通ってもいいしまったく通わなくてもいい。自由である。トレーナーに「祝日があるから今週は2回にしろ」なんて言われて喧嘩になることもない。

私は運動に限らずペースにこだわる性質なので、身体に染みついたペースが乱れるのがすっごい嫌だ。だからボクシングも週3をきっちり守っているし、ほぼ同じ曜日に行くし、練習時間も決めたわけではないが気付くと毎回1時間半である。

早く気恥ずかしくなくサンドバッグが打てるようになりたい。サンドバッグ打ちは有酸素運動としては申し分のないものだし(心拍数が130を超えると無酸素運動だけどいい具合に30秒のインターバルが入る)、体重増加も少しは防げるのではなかろーか。

筋トレはもう自分でやるしかない。ボクシングの練習にも筋トレがあるが、筋トレスペースが狭いせいもあって、みなさんほぼ腹筋運動をやっているのみである。そんななか私がいきなりランジやらスクワットやらをやる勇気はない。引かれる。

なので目立たぬよう地味な種目であるプランクをやったら、それでもトレーナーがびっくりしていた。練習を終えて更衣室へ向かおうとすると、わざわざやって来てほめてくれた。

「完璧なプランクですね。きれいすぎてつい見入ってしまった」

 

4年5ヶ月のトレーニングとモヒカントレーナーの顔が思い浮かんだ。

 

 

| 羽生まゆみ | 練習生日記 | 18:26 | - | -
悔い多き人生

午前中に外へ出たら真っ青な空で、ピッカピカの晴れた空で、感動した。泣きそうになったくらいだ。テンションの高さが続いているのか感傷のせいなのかわからない。来年はいいことがありそうだなんてことまで思った。

園芸店へ行ったら今回の芝居に出てくるヤブコウジが売られていたので縁起物として買ってきた。高さ10僂らいで、赤い実が4つばかりついていて可愛いの。

調べたところヤブコウジは大きくなっても30僂らいまでのようだ。だとすると単品の鉢植えはちと寂しいので、寄せ植えにすべく再度園芸店へ。吉祥草という、縁起の良い名前がついている山野草を選んだ。芝居の公演が控えていると突然「縁起を担ぐ人」になる。いきなり枯らしちゃったら縁起が悪すぎるので、ここは2月まで最大限の注意を払って見守ろうと思う。

そんなこんなでゆったりと幸福感の漂うこの年末である。

 

さあ年末年始はテレビ見るぞっ。

長い間、テレビを観ると頭が悪くなると思って観ていなかったのだが、劇団活動が乏しくなって以来「頭が悪くなってもいいも〜ん」と観始めたらすっかりテレビ好きになってしまった。怖い怖い。だからテレビは怖いのよ。

特定の番組を毎週楽しみにして、というようなことはないのだが、とりあえず帰宅したら電灯の次にテレビを点けるね。

ピッピッとチャンネルを替えてダンスシーンがあるとつい観てしまう。日舞を含めて踊りが好きだ。後悔の多い人生だが、その一つがダンスをきちんと習わなかったことである。今踊れていたらどんなに楽しいだろうと思う。

ジャニーズやEXILE、AKBグループなどが出ていると少し前まで即チャンネルを変えたものだがこの頃はけっこう観る。

昔は好きどころか嫌いだったストリート系ダンスも好んで観る。DU PUMPの踊りは胸に刺さる。フォーメーションの移動がめっちゃ私ごのみだ。(EXILEがあまり突き刺さらないのはたぶん個人技優先だからだろう。ごめんなさい、TVの歌番組だけの感想である。ステージを知らないので)

あと欅坂が好き。メンバーの後ろの方に混ざって、あの振付を踊りたい。マジ踊りたい。振付上、髪の毛が顔にかぶさっているシーンが多いし、衣装も体型が隠れるので、うまくいけば私が居てもバレないのではないかと思う。

振付だけで比べると、ジャニーズで刺さるのは嵐だけだ。1曲か2曲しか知らないけど。麻理枝情報によると、たぶん大野くんが振り付けたものだと思う。『つなぐ』は録画して100回くらい観た。

 

悔い多き人生。

ダンサーは無理だったが、今後はボクサーで頑張る。

| 羽生まゆみ | - | 20:58 | - | -
立ち稽古開始(稽古場日記2)

さて、初の立ち稽古。

まさに立ち稽古であった。二人ともずーっと突っ立ったまま、必死で台詞を探していただけの稽古。台詞探しに忙しくて歩くの忘れていたのね。もしくは、歩くと麻理枝のプロンプがよく聞こえないのだろう。

台本を持っていって良かった。役者を見ていてもつまんないから、とりあえず台本に目を落として考え中のふりしながら乗り切った。演出だって演技力が必要なのである。

10人だろうが2人だろうが、ウォームアップはいつもと同じである。筋トレも前回と同じ種目を2人だけで淋しくやった。ランジで純一の太腿がどーかなって中止になるまでは頑張った。ふん、情けない。

「変だなあ、ふだん(家と駅の間を)自転車こぎまくってるんだけど」

歩くか走るかした方がいいと思う。

発声は麻理枝も参加した。良い声でプロンプ入れなくちゃいけないからね。つーか、プロンプが激しすぎて喉つぶしそうな勢いだった。二人よりよほど喋っていた。麻理枝の喉がどーかなったら純一とEricoのせいである。

 

帰りは女子3人でカレーうどんを食べた。初日はお好み焼きで2日目はうどんかあ。こりゃやばい。夜の10時に。役者と違って私は座っているだけだからほんとにまずい。

そして女子が3人集まれば男子の悪口である。

私は言った。

「純一は若いのになんでやっちゃうんだろう」

もちろん、どーかなった太腿のことである。

女子は言った。

「若いっていっても世間的にはもうオジサンでしょう」

ひぇ〜。この台詞をEricoが言ったか麻理枝が言ったかは内緒にしておく。

純一が腹黒いっことも話題になった。これはよく知られた事実であるから今さら驚かないが、たまに新しいエピソードが耳に入ると唖然とする。

「処理が面倒だからなるたけ小道具は持たないようにしてきた」

こんなとんでもないことを言っていたらしい。なんてやつだ。

しかし今回はそんなことは言っていられないだろう。2人しか居ないうえに舞監を置かないから、転換は役者自身が目一杯働かなくてはならない。暗転中の小道具の出し入れはもちろんである。

そうだ! アレがあった! アレは絶対純一にやらせよう。

暗転中に音を鳴らさず扱うのはとっても難しいと思う。

アレが何であるかはまだ言えない。

 

こんなふうに稽古は始まった。

まだ柔いよ。稽古場も私も。

これがずーっと続くと思ったら大間違いである。

 

| 羽生まゆみ | シリウス、あるいは犬の星 | 01:21 | - | -
メリークリスマス!(練習生日記1)

本日もまたホンがカバンに入っていない。ラクチン。演出家としてはあるまじきことだが、かさばるから本当に持ち歩きたくないのだ。

肌身離さず台本を持ち歩いて芝居研究に没頭したいところではある。しかしカバンは10gでも軽くしたい方なので仕方ない。カバンが重たいとご機嫌が悪くなる。願えば何でも出てくるEricoや麻理枝の重たいカバンがホント、信じられない。いろいろ持ち歩かないと心配らしい。

 

この頃肩が凝るのはリュックが重たいせいではないだろうか。シューズが入っているのだ。

そう、そろそろ告白しなくてはならない。筋力トレーニングをやめて早一ヶ月、私は今グローブをはめて、四角いリングに立っている。そーなのォ、ボクシング始めちゃった。週3回きっちり通っている。私は今ボクシングジムの練習生である。練習生‥‥ああ、良い響きだ。

実はあちら退会後7日目にこちらへ入会した。早っ。

プロを育てているわけではないが、トレーニングの内容はかなり本格的。老舗のボクシングジムが売上向上を目指してレディース相手のボクササイズをやっているのとは少し趣が違う。シャドウ、ミット、サンドバッグ、縄跳び、筋トレなどの種目を、数名のトレーナーがウロウロしながら見てくれる。ひと言ふた言の助言であっちへ行ってしまうこともあれば、ダメ出ししながらずっとシャドウにつき合ってくれることもある。私はまだ初心者だからけっこうつきっきりだ。

ボクシングトレについてはいろいろ書きたいけど、また少しずつね。

とにかく入れ込み過ぎないようにしなくては。入れ込み過ぎるとやめる時がつらい。今だってまだ完全には立ち直ってはいない。ベンチやりたいと、身体の奥の方で何かが泣き叫んでいるのが聞こえるもの。

それにしてもシューズを持ち歩かなくてならないのがつらい。かさばるし。でもいずれボクシングシューズを買うよ。今よりもっとかさばるけどそこは譲れない。芝居も運動も、衣装は妥協しないのだ。

 

そうだ。芝居の衣装だ。忘れていた。衣装替えはどうしよう。Erico、純一が長い独り言言っている間に着替えられるかなあ。

ま、どうでもいいや。今年はまだ考えない。

さて、明日は立ち稽古。やっぱり台本持っていかないとまずいだろうか。かさばる。

| 羽生まゆみ | 練習生日記 | 23:07 | - | -
睥睨(稽古場日記1)

純一とEricoは今頃ホンと格闘しているだろう。あー楽し。

私といえば今日は、出かけるときにホンを捨てて出た。ひと月のあいだ持ち歩いていたのに、今日は「重たっ」と思ってカバンから出した。ラクチンだ。

純一とEricoはそうはいかない。万が一忘れて家を出ちゃったりなんかしたら、それこそどんなテを使ってでも取りに戻るだろう。忘れたまま電車に乗って駅5つ先くらいで思い出せばいいのに。

中2日おいて1場と2場を立つ。つまりいきなりホン半分の台詞を覚えなくてはならない。1時間の芝居だからね、これは仕方ない。30分ぶんと考えればたいしたことはない。

今年の稽古は一回だけ立って終わる。お正月の間に丸ごと台詞を入れてくると信じている。

 

いつもどおりの初読みであった。純一は「睥睨(ヘイゲイ)」が読めなかった。Ericoが「大丈夫、私も読めなかった」となぐさめていた。さすがのチームワークである。

そのEricoが「大好き(ダイスキ)」を「犬好き(イヌズキ)」と読んだ際は、他全員がいっせいに椅子からずり落ちそうになった。ほんとに笑わせてくれる。サービス精神旺盛だ。「大」も「犬」も小学生で習う漢字である。びっくりする。

しかしこういうところでは笑いのセンスがあるが、芝居自体はかなり面白くなかった。もっと面白いかと思っていたのでガッカリだ。笑えるはずのところがちっとも笑えない。

これまで二人がちゃんと笑いを取れていたかものすごい勢いで思い返したが、思い出せなかった。まさか笑いが苦手な人ふたりが大集合したんじゃないでしょうね。不安だ。

 

夕方からずーっとソファに寝転んでダラダラTVを観てすごした。帰宅した家族が私の姿をひと目見るなり「安心の定位置に戻っている」と悪口言っていた。

あー嬉しいなあ。ダラダラできる。演出のアイデアなんかなーんも考えないもーん。ホンも開かないぞ。

このままお正月に突入だいっ!

| 羽生まゆみ | シリウス、あるいは犬の星 | 23:41 | - | -
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