羽生ノート

羽生一家玉組座長・羽生まゆみが気儘に綴る日々雑感です。
ついに明日、稽古打ち上げ(稽古場日記10)

早かった。あっという間に打ち上がった。

本日は4回目の通し稽古。相変わらず台詞のトチリが多くて少しガッカリした。完璧なものを、結局観せてもらえないまま稽古場での稽古を終えるのだろうか。明日稽古場で観る最後の通しが怖い。ガッカリしたくない。

しかし芝居自体は問題なく面白い。2時間近い芝居だが長さはまったく感じない。昨日も書いたが、お客さんが少ないらしいのが本当に悲しい。今では少なくなった「ストーリー芝居」を、たくさんの人に観てもらいたい。起承転結の妙を、物語の面白さを、楽しんでもらいたい。

丁寧に、丁寧に、創ってきた。手を抜いたところや、曖昧なままやり過ごしたところは微塵もない。そう言い切ることに何の後ろめたさもない。

そして何よりも、隙なく稽古した役者たちの芝居がどんなものであるかを、知ってほしい。

本番でトチることはないので、皆さまご安心を。

 

また今日もチョコレートをひと箱、ぺろっと食べた。これに関しては若干の後ろめたさはある。

稽古帰り、エアポと佳美と三人で寄った喫茶店でピザトーストを食べた。22時半に。ものすごい後ろめたさに現在うちひしがれている。

 

さあ明日、最後の稽古場を楽しみたい。

| 羽生まゆみ | サンタクロース イン トーキョー | 01:53 | - | -
通し稽古(稽古場日記9)

書けなかったなあ今回、羽生ノート。

ほんと、ごめんなさい。体力維持を最優先にしてきたので「何があっても5時間は寝る!」を命題としてきたのだ。

おかげでけっこう元気だ。稽古後「疲れた」という台詞はこれまでで一番たくさん口にしているが、ひと晩寝ればわりあい回復している。「寝る」と同じくらい「食う」も実行した。稽古から帰って夜中にヤキソバほおばったりしている。体力維持どころか身体に悪いのはわかっているが、エネルギー補給したかった。空腹が恐ろしい。体重はちっと増えたが、「減るよりは良い」と自分に言い聞かせている。

しかしタガが外れるとはこのことで、稽古場でお菓子を食べまくっているのはいくらなんでもまずい。今日はポテチを、一枚だけ佳美にお裾分けしただけで残り全部食べた。チョコは誰にもあげずにひと箱食べた。Ericoに「チョコの空箱を写真にとってトレーナーにメールする」と脅された。ダメダメ、蹴られる。

 

通し稽古が始まった。玉組では5日間続く。5回通してから劇場へ入るわけだ。初日を観て、大丈夫だと安心した。アタフタ感丸出しで台詞はとちりまくっていたが、テンポが良かったからね。

二日目、三日目と調子を上げて、すでに今日、不安はまったくない。一時は絶望的にもなったが結局仕上げた。どんなもんだい。

少し前の絶望がウソのようだ。あのときは、いったい何が悪かったのだろうと死ぬほど考えた。私の稽古場指揮が悪かったのだと思った。自分では気づかないうちに、たらたらした稽古場になっていたのだと。

反省して損した。全然私のせいじゃなかった。あー良かった。

 

チケットが売れていないらしい。今日まで訊くのが怖くて訊けなかったのだがそういうことらしい。悲しいなあ。なんでだろうなあ。こんなに手を抜かない芝居を創っているのに。こんなに美しい舞台なのに。美術も照明も、なにもかもが美しい芝居なのに。こんなに自信があるのに。

悲しいなあ。悲しいなあ。なんでだろうなあ。

 

悲しいからもう寝る。

| 羽生まゆみ | サンタクロース イン トーキョー | 00:45 | - | -
神様逃げた?(稽古場日記8)

短くても羽生ノートは書いていくと言ったのに、やっぱり無理だった。当日パンフやDMの原稿書きに追われている間に、とんとご無沙汰になってしまった。いかんなあ。

気付けば2週間後はもう初日ではないか。うっそ! てな感じである。

最近は役者たちに「仕上がるよね?」と尋ねては「大丈夫です」と言わせて安心している。もっとも私にむかって「もしかしたら仕上がらないかも」とか、「う〜ん、ビミョー」などと言える人は居ないだろう。

当然ながら苦労はしている。面白くないのに解決策が浮かばないというシーンがバラバラあって、気が狂いそうになる。何をどうしていいのかわからないのでダメが出せないのだ。

先だっては稽古場に来た照明の松本に「どうしていいのかわからない。私の勘は鈍っている。神様が逃げたのかも」とグチって、「羽生さんのそんな弱気な発言初めてきいた」などと笑われた。

 

そして昨日の稽古。そんなダメシーンの一つをやった。

なんだ、私のせいじゃなかった。役者のせいだった。やっぱりそうか。うすうすそうじゃないかとは思っていたのだ。

ダメはどんどん出る。何が悪いのか、どうすればよくなるのか、ぽんぽん見えた。これまで見えなかったのは、役者のテンションが低いせいだったのだ。あー良かった。あやうく自分のせいにするところだった。あぶねェ、あぶねェ。

 

三場のカット作業をすると言ったら稽古場の空気が、ずーんと重たくなってあせった。

これまでもカット作業は必ずあったし、でもみんな、少なくとも表面上は明るく受け入れていたのにどうしたのかしら。早く決断しすぎたのかね。

そういえば稽古前にマックに入ったら、三場メンバーが作戦会議及び練習をしていた。おいおい、マックで稽古かよ。

仕切りを隔てたとなりに私は座っていたのだが、うるさくてかなわない。「静かにしてください」とクレームつけてやった。

みんな、頑張っているのだ。マックで頑張った4時間後にカットではね。でも仕方がない。カットは「いつ実行するか」の問題だけである。どうせやらねばならん。

 

さあ、ラストスパート。

今日も稽古だ。

| 羽生まゆみ | サンタクロース イン トーキョー | 02:53 | - | -
雅紀、私を取り扱う(稽古場日記7)

昨日は役者が疲れ満載のヨレヨレ芝居をしており、私はちょー不機嫌であった。

皆身体のキレが悪いし、顔もゲロ〜ォとなっていた。特にEricoなんぞ急激にやつれてトカゲ女の顔だったし。わしゃわしゃした付け睫毛だけが元気だった。あー怖い。

こんな情けない状態で稽古を続けても仕方がない。芝居は永遠に完成しないだろうとイライラしていたら、本日はまあまあの出来だった。Ericoの顔もいくらか回復していた。

 

役者たちより30分遅れて稽古場入りすると、すでに稽古が始まっていた。役者たちで話し合いながら、大騒ぎシーンの段取りをつけていたようだ。

雅紀がおはようの挨拶もそこそこに、

「すみません、もう少しやらせてください」

私は頷く。

「いいよ」

なかなか気合いの入った稽古で、私は口を挟まずながめていた。

役者それぞれが意見を出し合いながらシーンを創っていく。大昔の玉組ではあまり見なかった光景である。こういった違いは、主演の気質の違いだと私は思っている。主演は芝居が上手けりゃそれでいいというわけにはいかないのである。

雅紀は玉組歴代の主演の中で、最も立派にチームを引っぱる。私の取り扱いも一番上手い。

 

帰りの電車に乗る間際、雅紀が私に話があると言う。

「いやだ」と私は言った。どうせ悪い話だ。

「まあ、まゆみさんにとっては悪い話だとは思いますけど‥‥‥」

「聞きたくない」

「じゃあ明日にしますか」

雅紀らしいすっとぼけた台詞である。明日に延ばせば良い話になるならそうするが、悪い話は悪い話のままである。

「気になって眠れないでしょーよ。いったい何なの?」

「明日どこやりますか」

「2場」

「実はケンケンが遅刻します」

「‥‥‥」

私がバクハツする前に雅紀は急いで言った。

「2場やりましょう。ケンが退場したところから」

これが作戦なのかなんだかわからないのだが、雅紀の真面目な顔のすっとぼけに私はいつも負けてしまうのである。

すでに怒りは半減していたが、せめてもの抵抗はとりあえずした。

「2場やんない。どこやるかわからん。私の気分次第」

苦笑する雅紀の顔があった。

で、結局今日は2場をやった。上記に書いたように役者たちで2場の稽古をしていたから仕方ないではないか。

 

さあ、明日の稽古は8時間ぶっ続けの長丁場だ。

というわけでもう寝る。おやすみ。

| 羽生まゆみ | サンタクロース イン トーキョー | 10:57 | - | -
なんと、あと一ヶ月で初日(稽古場日記6)

来月の今日はもう初日である。まずい。不安でいたたまれなくなる。

軽快に進んでいるとは言い難い。たぶん、入れ込み過ぎているところに、私自身の問題がある。

『サンタクロース〜』のことはこの13年、あまりにも考えていたので、イメージが出来上がりすぎているのではなかろーか。

新作だと役者のやっていることがいつの間にか「正解」になるが、今回は私の頭の中にあるものと役者の芝居が違うとすぐ「不正解」にしてしまう。いかん。いかんのよ。これでは良いお芝居にはならない。

まずい。やんわり吐き気がある。プレッシャーのせいに違いない。

よく考えねば。「落ち着け」と役者にわめいているが、最も落ち着いていないのはたぶん私なのだろう。

 

役者たちが早くも煤けているのが心配だ。クイックルワイパーでお掃除したい。特にお顔をサワサワしたい。サワサワしてホコリを落としたい。私の吐き気はホコリのせいかもしれない。きっと「役者のホコリアレルギー」なのだ。

そうそう、急に話は変わるが、私の稽古場入りが早すぎると雅紀にクレームつけられてびっくりした。

「ええーっ!」

「みんな言ってます」

「うっそ。てっきり役者たちは私の顔見ると嬉しいのかと思っていた」

「まあ‥‥‥えっと‥‥‥嬉しいですけどね」

初立ちの台詞よりしどろもどろしていた。

 

というわけで私は明日、19時入りだよ。

一場のラスト、アダルトチームが役者だけで段取りたいんだってさ。

久しぶりに駅前のケンタでゆっくりお茶するよ。チキンフィレサンド食べて行く。

 

眠い。もう寝る。

おやすみ。

| 羽生まゆみ | サンタクロース イン トーキョー | 00:46 | - | -
午後9時、絞りカス(稽古場日記5)

いやあ、疲れた。昼間から一日稽古場に居るとさすがに堪える。21時を過ぎるとほとんど絞りカス状態だ。もう一滴も汁らしい汁は出ないってかんじ。

それでも楽しかった。プロローグは非常に良かった。トミーのサンタクロースは年の功の存在感があるから、そのせいかプロローグは初演とはかなり雰囲気の違うものになっている。プロローグの役者たちはみんなよくやっていると思う。

Ericoがとても楽しそうだ。今回はEricoをケチョンケチョンにいじめてやるつもりだったのだが、今のところ集中してやっているのであまり文句を言う隙がない。残念だ。プロローグは実年齢の半分以下の役を演じているがとても可愛い。

正直言えば、Ericoが楽しそうだと私はうれしい。遙か昔の日々が、劇団を揚げたばかりの日々が帰ってきたようだ。時々ヘボ役者だった頃のEricoが今のEricoに重なって、二重写しに見えることがある。

いかんいかん。まだ始まったばかりだ。今からほめていたらいずれしっぺ返しをくらう。

 

麻理枝が泣いちまった。麻理枝が弱って泣いたのは初めてかも。

麻理枝、ダメを出されるのは幸福なことなのだ。それを理解してくれていると信じている。

 

さあ、明日も稽古だ。早く寝て体力を回復せねば。

おやすみ。

| 羽生まゆみ | サンタクロース イン トーキョー | 01:00 | - | -
シャーペン(稽古場日記4)

稽古開始から2週間が過ぎた今日、ついにシャーペンと台本が飛んだ。

昨日「明日は2場をやる」と予告しておったのだが研のバカタレが遅刻したせいでできなかった。で、急遽3場をやったらまったく台詞が出てこずバクハツしたという次第である。2場ばっか必死で台詞入れていたのだと思うと脳味噌がヒンヤリして、それから一気に沸騰した。おかげでシャーペンが壊れた。研のバカ。

二度と予告なんかするものかと思ったのだが、また今日してしまった。明日は久方ぶりにプロローグ。前回より台詞が出なかったり芝居が壊れていたらまたバクハツする予定だ。本番までにシャーペンが何本壊れるか楽しみである。

 

アップの筋トレもだいぶ慣れてきたようではあるが、どうだろ。慣れてきてごまかし方が上手になってきた。そんなとこばっか上達してどうする。

今日昼間やってきた私のトレーニングを見学したら一同引くね。怒鳴られまくって、最後のプッシュアップや腹筋をやる頃はほとんど半泣き状態だった。それでも根性振り絞っていたぞ私は。結局は根性だと思う。

みんな早く覚えてね。昨日Ericoと「みんなが上手になったらサーキットトレーニングしよう」と話し合った。楽しいぞーォ、サーキットは。ゲロ吐きそうになる、つーか吐いたりするけど、ヤッタ感はものすごく味わえる。

 

明日は午後から夜までずーっと稽古場だわ。穏やかに過ごしたいね。

短いけどこのへんで。

| 羽生まゆみ | サンタクロース イン トーキョー | 01:41 | - | -
稽古着(稽古場日記3)

いつもと同じように、プロローグから順番に立ち始めた。まず最初から最後まで一日一場ずつ無理やり立ち、その後落ち着いて返していくというのが玉組のやり方である。というわけで四日かけて三場まで進んだ。

すでに一回バクハツしている。芝居の出来とは関係がない。優太が稽古着を忘れてきたからである。まさか最初のバクハツ原因が稽古着とは。

役者たちには稽古場に入る際は日常を脱ぎ捨てろと言ってある。これはもちろん「心」のことだが、見た目だって同じように重要だ。日常を引きずったままの役者に稽古をつけることはできない。

というわけで優太が登場するシーンはすっ飛ばした。可哀そうだったがしかたがない。芝居の稽古をなめてはいかんのだ。

稽古場からの帰り道、雅紀が詫びた。

「すみません。俺が気が付かないといけなかったのに」

雅紀は同じ理由で私に叱られた過去があるらしい。びっくりした。叱った方は忘れても叱られた方は忘れていないということ。

翌日、千歳も同じ理由で叱られたことがあると知った。覚えていない。ここに至ると笑っちまったね。みんな同じ失敗をやらかして同じように叱られている。どうも私は稽古着に関しては容赦がないようである。

 

翌々日は、劇団ピンクノイズの初顔合せ兼初稽古だった。

稽古場に向かいながらEricoに訊いた。

「まさか稽古着を持ってきてないってことはないよね」

「大丈夫です」

持ってきてなかった。

ええーーっ? 苦笑するしかない。そして二日前にバクハツした一件を話した。

まあよい。本格的な稽古はこれからじゃ。大遅刻した役者も居たし、今日のは稽古じゃなくて他の何かだったことにしよう。

と、こんなふうに怒らなかったのは、楽しかったからである。良い役者たちだった。

 

稽古場日記はなるたけ書いていきます。

ただし短いし、推敲もできないと思いますが大目に見て下さいませ。

| 羽生まゆみ | サンタクロース イン トーキョー | 10:11 | - | -
言葉の真意(稽古場日記2)

大騒ぎの衆院選が終わった。

あきれ果てた選挙だったが、ここで政治的な意見を述べるのは控えた方がいいだろう。

ただ一つ、言葉について。

まさか「排除」で小池さんが撃沈するとはびっくり仰天である。安倍さんの「こんな人たち」で大騒ぎになったときもびっくりしたが、今回は小池さんがお気の毒すぎて思わず一票入れそうになった。

しょーもない。くだらない。バカみたいだ。

選挙で負けたのは仕方ないにしても、こんな他愛もない言葉一つで人格否定されてはたまったものではない。人格否定する人たちの方の人格はいったいどうなっているんだろうと不思議でしょうがない。

 

稽古場でもダメ出しに気をつけなければね。安倍さんや小池さんと違って私は悪口雑言にめっぽう弱いから、人格否定なんかされたら立ち直れない。

たとえば滑舌の悪さを注意するのに私は「なに言ってるのかさーっぱりわからん」などと言ってしまうのだが、ほんとうは「台詞が聞き取りづらいね」と言うべきなのだ。

しかし「台詞が聞き取りづらいね」なんてやわなことを言っていたら、せっかく上がっていた稽古場のテンションは一気に落ちてしまうだろう。本当にそれでいいのだろうか。稽古場も選挙もテンションが大事である。

正しい言葉がいつも正しいとは限らないし、汚い言葉がいつも汚いとは限らない。言葉は、使われる状況によって真意が変わる。それをくみ取らなければ、言葉の世界はなんとも味気ないものになってしまうだろう。

芝居の台詞とて同じである。「大嫌いだ」という言葉の奥に隠された「大好き」を観客にくみ取ってもらえなければ、味気ない芝居になってしまう。くみ取ってもらえる表現力を身につけるために、私たちは稽古の努力を惜しんではならない。

芝居では、喋らない言葉こそが饒舌なのだと思う。

 

さっそく立ち稽古に入った。私の役者たちは台詞覚えだけはいいのでホント助かる。ホンを持っての稽古なんかやったことがない。

昨日はプロローグと一場を立ったが、プロローグはそこそこ芝居になっていた。今日はもうガンガン創っちゃうつもりだ。汚い言葉も悪い言葉も、役者の臓腑をえぐるような皮肉も悪態もビシバシ使ってやる。

「羽生さんの真意はわかっていますよ」

雅紀あたりが言いそうだが、真意なんかないよ。言葉のまんまである、悪いけど。

 

| 羽生まゆみ | サンタクロース イン トーキョー | 01:43 | - | -
初読み。さあ頼むよ雅紀(稽古場日記1)

始まった。

昨年の公演後、次まで一年半もあると余裕綽々だったのに、気付けば「あれ? 来週からサンタの稽古じゃん」とあせるのであった。慌てて集中した。なにしろ今回の稽古場は甘い顔はできん。ブスッとして過ごす。どっかの演出家みたいに罵倒しちゃうかもしれない。そもそも私を裏切った雅紀(6/27.28『激しく怒る´◆抻仮函砲箸11月半ばまで口をきかない覚悟である。

いかん、あっさりきいてしまった。前回Ericoのことを天才的に気が利くと書いたが、雅紀は天才的に人のふところに飛び込むのがうまい。ジャンプで飛び込む。「面白いお詫びの言葉」に、こっちはつい笑ってしまって、気付いたら向こうの思う壺にはまっていたという塩梅だ。ほんと、叶わない。

 

ホン読みは、読みぎらいの私にしては珍しく楽しかった。雅紀がヘロヘロでメチャクチャで、たくさん笑えたからだと思う。

読みはアダルトチームよりヤングチームの方が100倍上手かった。立ってもこの調子だといいのだが、若い役者は立つと急に相手の台詞を聞かなくなるからまだ安心はできん。「読み」は相手が喋っているとき同じ台詞を自分も心の中で喋るので、「台詞を聞く」と同じ作用が生まれ、そのせいで感情の流れを切らさずに済むのだろう。

安心はできないにしろ、しかし少なくともアダルトチームより滑舌は良く、それだけでもダメ出しのエネルギーが減ってありがたい。

 

通して読んで「やっぱりいいホンだなあ」と私は思ったが、役者らの顔に感慨はちらとも見えずガッカリした。絶賛の嵐かと思っていた。それとも役に不足でもあると言うのか。えらくなったもんだ。

まあ良い。今回は再演だからホンが良いことは最初からわかっている。

新作だとこうはいかない。ホンを書き終わった直後、自信満々なことはめったにない。自分では良いと思うが本当はどうなんだろうといつも不安である。だから昔は初読みで役者が喜ばないと「ダメだったか」とつらかった。初読みのあとの飲み会が気まずいこともしょっちゅうだった。感想を求められると困るので誰も私のとなりに座ろうとしないのだもの。

現在の主演、雅紀は少なくともそんなことはしない。なーも考えていないだけなのかもしれんが、とりあえず私を避けるようなことはしない。平気で私の隣に座る。それだけで私は救われる。

 

詩人の八歩は、アウトローが多い私の主役たちの中で、めずらしく知的文系キャラだ。(『プリンセスショック』の一条天皇も1000年前は和歌詠み得意の文系だったはずだが、私の芝居でよみがえった一条さんは和歌も詠まず、ただジメジメクヨクヨしているだけであった。)

今はまだ物語の内容がちんぷんかんぷんらしいが、犯罪者系キャラを演じてきた雅紀が今回、悩める詩人を立派に創ってくれると信じている。

| 羽生まゆみ | サンタクロース イン トーキョー | 23:47 | - | -
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