羽生ノート

羽生一家玉組座長・羽生まゆみが気儘に綴る日々雑感です。
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浴衣にまつわるひどい出来事

これから書く文章に、もし石井匡人から削除要請が入ったらすぐに削除するつもりでいる。要請があったということはつまり匡人がここを読んだということであり、それが本日の書き込みの目的だからである。彼が読みさえすればその後の削除はいっこうにかまわない。

なにしろ匡人は私の続けざまの電話に出ないばかりか、逆切れのラインを2度寄越したあとは、私が私の気持ちを丁寧に伝えた長いラインメールを開きもしていない。匡人は私との絆を断ち切ってまでEricoの浴衣を自分の物にしたいわけで、となれば私に残された交渉の手立てはない。

ここに書きこむのは、おそらくここは読んでいるであろう匡人に、「あなたは間違っている」ということ伝えたいからである。Ericoには申し訳ないが、もはや浴衣を取り戻すためでもない。まして鬱憤晴らしでも悪口でもなく、とにかく匡人に「伝えたい」だけなのだ。

ここを読んでくださっているお客様や関係者には、今回だけは伝言板になることをお許し願いたい。重ねて言うが、他に手立てがないのである。とはいえ、それでも読む人達は居るわけで、となれば「抽象的なことは書かない」という羽生ノート規定に則り、事の顛末を最初から説明するべきであろうと考える。

 

そもそも私がEricoを通して匡人にオファーをかけたのが間違いだったのだ。実は12月の『サンタクロース〜』上演の勢いに乗って、一ヶ月後の1月に二人芝居『オバケのイヴイヴ』を打とうと考えた。私には心躍る企画であり、Ericoが電話をかけたら匡人が「会って話したい」というので私の心はますます躍った。まるっきり出る気がないわけではないらしい。まずEricoと匡人が二人で会うことになったというので了承した。

この後のことはEricoから聞いた話になる。

会う直前のある日、匡人から連絡があったと言う。昔匡人のお父さんがEricoにプレゼントした浴衣をしばらく貸してほしいという内容だった。その時点でEricoが私に連絡をくれていたら、私はもしかしたら匡人の魂胆を見破っていたのではないかと思ったりもする。私はこういうことには鼻が効く。匡人の嘘をしょっちゅう見破ってきた。

わからない。見破ったはずだと思う一方、オバイヴの上演にホワホワ浮かれて、鼻にも頭にも豆が詰まってしまっていたかもしれない。

 

匡人は最近お父さんを亡くしたばかりだった。匡人が浴衣を借りたい理由は、お父さんが染めた浴衣の絵を描いて、精神的に落ち込んでいるお母さんを、その絵でなぐさめたいというものであった。聞いたときは、ずい分妙な理由だと思った。

私がこれを聞いたのは、Ericoが匡人と会ったあとにかけてきた報告電話においてである。すでに浴衣は渡していた。

妙な理由だったから嫌な予感はした。Ericoにも「ちゃんと返ってくるかなあ」と疑念を口にしたくらいである。しかしその時は、Ericoの報告からオバイヴ上演の可能性が見えてきて、私の頭はすっかりそっちの方へ向いていた。Ericoに申し訳ないことながら、嫌な予感や疑念は自らあっちへ追い払ってしまったのだ。私はバカだ。

 

匡人のお父さんとお母さんは、玉組の公演に遠方から欠かさず足を運んでくれた。いつも喜んでくれて、そんな中でEricoはお父さんのお気に入りになったのだ。そして驚いたことに、あるときお父さんはご自分で染めた浴衣の反物を、Ericoにプレゼントしてくださったのである。

私はなんてかっこいい人だろうと思った。「反物」をプレゼントに選ぶ人など今どきお目にかかれるものじゃない。Ericoが狂喜したのは当然で、さっそく浴衣に仕立てて今日まで大事に着てきたものである。あらためて言うまでもないが、仕立て代は自分で支払った。Ericoのお金である。匡人のお金ではない。

 

次回につづく

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