羽生ノート

羽生一家玉組座長・羽生まゆみが気儘に綴る日々雑感です。
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初演出と演助について

Yahoo! JAPANであれやこれやの不倫騒動を楽しく読んでいた日々、突然、鈴木砂羽演出の舞台で降板騒ぎがあったというニュースにぶち当たった。これはお気楽に楽しんでいた不倫騒動と違って身につまされる大事件である。襟を正してネットサーフィンにおよび、またTVの情報番組をチェックしたりした。

すでに降板した女優の所属事務所は矛を収め、事件は収束に向かっているようである。私はたまたまフジテレビの情報番組に出演している事務所社長を拝見したのだが、悪い顔はしておらず、また落ち着いた話しぶりで、想像していた「ヤクザな芸能プロの社長」とはだいぶ様子が違っていた。早々と矛を収めたところを見ても、ヤクザな人ではないのだろう。

出演していた高橋克実が舞台人として至極まっとうな意見を言っていて、なかなかの説得力であった。

 

何が起こったのか具体的なことはわからずとも、私のようにしょーもない芝居にいっぱい出てきた人間には、どんな稽古場だったのかなんとなく想像できる。

あんまり触れられていなかったが、どうも演出助手に問題があったようだ。演出経験のない鈴木さんは稽古場に乗り込むにあたって心細かったのだろう、「演劇に詳しい」自分の知り合いを演助として連れていったらしい。そしてその気合いの入り過ぎた演助が跳ねたのではなかろうか。

鈴木さんは経験不足で自信がないから演劇に詳しい演助を頼り、演助の意見に添っていろんなことが決められていく。役者が演助に何か言えば、それは演助の意見付で演出に伝わる。当然そこには誤解が生まれる。そんなことだったのだろう。

 

玉組には過去「演助」という専門職が四人居た。

初代と二代目は、役者の恋人を劇団員にしてこき使っていたという感じなのでひとまず置いておく。

三代目はアヤちゃんで、これはもう、こんな優秀な演助はめったに居るもんじゃない。出しゃばらず、立ち居振る舞いも素晴らしく、私を恐れず、仕事は優秀だった。私の愚痴を自分の意見付で外へ漏らすようなこともなかった。私が怒って稽古場を飛び出すと、私が駅までの道を間違わないか、そっと後ろを歩いてくれるような人だった。

四代目はヘンナヤツとしか言いようのないヘンナヤツだったが、ヘンゆえに私は愛した。ゲネの最中にダメ取りをせずに居眠りしていたから、パコーンと殴ってやったことがある。モミー、今どうしているのかなあ。会いたいよ。

公演形態がプロデュースになってからは、玉組フレンズとエアポート、それから役者の麻理枝やEricoが演助の仕事も兼ねて今日までやってきた。うちの演助たちは鈴木さんとこの演助と違って、私ではなく役者の味方だ。そもそも何か問題が持ち上がっても私に注進さえしない。「私の耳に余計なことを入れるな」と私に怒られるし、第一私に解決能力がないことをよく知っているからである。

 

土下座があったかなかったかなんてどうでもいいが、事務所社長が匂わせていた「降板したのではなく、降板させられた」は嘘だと思う。

本番二日前に演出の方から降板させるなんてありえない。私なんぞ、役者が二日前に降板するなどと言い出したら、内心の怒りを押し隠してそれこそ土下座も厭わないね。「私に不満があるなら好きなだけ殴ってくれ」と言う。靴だって舐める。「芝居をする必要はない。とにかく舞台に立って喋ってくれさえすればそれでいい」と頼む。そして心の中で、「本番が終わったら必ず復讐してやる。ぶっ殺してやる」と、神と悪魔に誓う。

一方、鈴木さんがインタビューに答えて「罵倒はなかった」と言っていたが、これも嘘だ。あったに決まっている。

鈴木さんが良い演出家でなかったことは想像できる。高橋克実だって口にこそ出さなかったがそれは見抜いているに違いない。みんな見抜いている。だから鈴木さんは今回うまく切り抜けたからと言って調子に乗らない方がいい。今は謙虚に、自分の演出家としての才能を見極める時である。

 

私は初演出のとき罵倒なんかしなかったよ。ホントだよ。

ご飯が食べられなくて、よく吐いていた。初演出とはそういうもんだと思う。

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