羽生ノート

羽生一家玉組座長・羽生まゆみが気儘に綴る日々雑感です。
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稽古着(稽古場日記3)

いつもと同じように、プロローグから順番に立ち始めた。まず最初から最後まで一日一場ずつ無理やり立ち、その後落ち着いて返していくというのが玉組のやり方である。というわけで四日かけて三場まで進んだ。

すでに一回バクハツしている。芝居の出来とは関係がない。優太が稽古着を忘れてきたからである。まさか最初のバクハツ原因が稽古着とは。

役者たちには稽古場に入る際は日常を脱ぎ捨てろと言ってある。これはもちろん「心」のことだが、見た目だって同じように重要だ。日常を引きずったままの役者に稽古をつけることはできない。

というわけで優太が登場するシーンはすっ飛ばした。可哀そうだったがしかたがない。芝居の稽古をなめてはいかんのだ。

稽古場からの帰り道、雅紀が詫びた。

「すみません。俺が気が付かないといけなかったのに」

雅紀は同じ理由で私に叱られた過去があるらしい。びっくりした。叱った方は忘れても叱られた方は忘れていないということ。

翌日、千歳も同じ理由で叱られたことがあると知った。覚えていない。ここに至ると笑っちまったね。みんな同じ失敗をやらかして同じように叱られている。どうも私は稽古着に関しては容赦がないようである。

 

翌々日は、劇団ピンクノイズの初顔合せ兼初稽古だった。

稽古場に向かいながらEricoに訊いた。

「まさか稽古着を持ってきてないってことはないよね」

「大丈夫です」

持ってきてなかった。

ええーーっ? 苦笑するしかない。そして二日前にバクハツした一件を話した。

まあよい。本格的な稽古はこれからじゃ。大遅刻した役者も居たし、今日のは稽古じゃなくて他の何かだったことにしよう。

と、こんなふうに怒らなかったのは、楽しかったからである。良い役者たちだった。

 

稽古場日記はなるたけ書いていきます。

ただし短いし、推敲もできないと思いますが大目に見て下さいませ。

| 羽生まゆみ | サンタクロース イン トーキョー | 10:11 | - | -
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