短くても羽生ノートは書いていくと言ったのに、やっぱり無理だった。当日パンフやDMの原稿書きに追われている間に、とんとご無沙汰になってしまった。いかんなあ。
気付けば2週間後はもう初日ではないか。うっそ! てな感じである。
最近は役者たちに「仕上がるよね?」と尋ねては「大丈夫です」と言わせて安心している。もっとも私にむかって「もしかしたら仕上がらないかも」とか、「う〜ん、ビミョー」などと言える人は居ないだろう。
当然ながら苦労はしている。面白くないのに解決策が浮かばないというシーンがバラバラあって、気が狂いそうになる。何をどうしていいのかわからないのでダメが出せないのだ。
先だっては稽古場に来た照明の松本に「どうしていいのかわからない。私の勘は鈍っている。神様が逃げたのかも」とグチって、「羽生さんのそんな弱気な発言初めてきいた」などと笑われた。
そして昨日の稽古。そんなダメシーンの一つをやった。
なんだ、私のせいじゃなかった。役者のせいだった。やっぱりそうか。うすうすそうじゃないかとは思っていたのだ。
ダメはどんどん出る。何が悪いのか、どうすればよくなるのか、ぽんぽん見えた。これまで見えなかったのは、役者のテンションが低いせいだったのだ。あー良かった。あやうく自分のせいにするところだった。あぶねェ、あぶねェ。
三場のカット作業をすると言ったら稽古場の空気が、ずーんと重たくなってあせった。
これまでもカット作業は必ずあったし、でもみんな、少なくとも表面上は明るく受け入れていたのにどうしたのかしら。早く決断しすぎたのかね。
そういえば稽古前にマックに入ったら、三場メンバーが作戦会議及び練習をしていた。おいおい、マックで稽古かよ。
仕切りを隔てたとなりに私は座っていたのだが、うるさくてかなわない。「静かにしてください」とクレームつけてやった。
みんな、頑張っているのだ。マックで頑張った4時間後にカットではね。でも仕方がない。カットは「いつ実行するか」の問題だけである。どうせやらねばならん。
さあ、ラストスパート。
今日も稽古だ。