羽生ノート

羽生一家玉組座長・羽生まゆみが気儘に綴る日々雑感です。
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着想

お馴染みHIROくんがBBSに『狐の姫〜』と『サンタクロース〜』のDVDのことを書いていた。ここのところ「狐庵」に滞在していたが昨日から「アイビーハウス」に下宿しているとのこと。笑った。滞在に下宿かあ。そして焼酎3本とお香。お見事な情景描写だ。

そして、私だったらどこのお家に行きたいかなあと考えた。

カボチャ畑を見下ろす農家(『パンプキン通り、午前2時』)も捨てきれないが、一つを選ぶとしたらやっぱり湖のほとりにある内藤家のお屋敷(『いななきの森』)である。私は東京からの旅行者で、内藤邸に幾晩か泊めてもらいたい。つまり真貴が演じた跳子の設定だ。

あの一家が好きだ。今、長男の朝陽と三男の晩、そして末っ子の真昼はどうなっているのだろうと考える。真昼は無事大学に入ったのだろうか? 今や村の顔役となった朝陽は村長目指して暗躍していそうだし、晩は働き者のお嫁さんと一緒に牧場を大きくしている気がする。鼓太郎は獣医さんになって村に戻っているし、家政婦の砂子は内藤家の幼い子供たち(朝陽や晩の子ども)に、大いなる愛を注ぎまくっているに違いない。私に、エピローグの照明が落ちたあとの物語をこれほど想像させてしまう自作品は他にない。

そうなのだ、お芝居が終わってから長い月日がたっても、作品を忘れることはない。演じた役者はもちろんご覧になったお客様の胸にも、内藤家のかけらがちょびっとでもいいから残っているといいなと願う。

それが作者の思いである。

 

で、映画の盗作騒動だ。

そんなことが騒ぎになっているのは知っていたが特段興味もなかったから流していた。

ところがその騒動の元が小劇場の芝居だと知って考察しないわけにはいかなくなった。取り敢えず詳細を知るべく、情報番組をじっくり観た。(私が観た番組は一つだけだったので詳細とはゆかず、おおまかな情報による考察であるから、勘違いが入っていたらごめんなさい。)

その番組の雰囲気では、あきらかに「小劇場不利」であった。要は「最初は映画化を喜んでいたくせに、ヒットしたとたん盗作と騒ぐのは違うんじゃないの?」というご意見である。やんわりとではあったが「お金目当て」と言いたいらしかった。

監督は、その小劇場作品を観たことは認めている。ただ、着想を得ただけで映画作品はオリジナルストーリーであると言っている。

でもさ、私は思うのよ。そのお芝居のおかげで作品を創れたのなら、その作品に敬意を払うべきなんじゃないかなって。どうしてクレジットに作者の名前を入れてあげなかったのだろう。原案か原作で権利(お金)がずい分違うらしいけど、先に監督が「クレジットはどうしましょ? ストーリーはだいぶ違うものになっているんだけど」と訊いておけば、演出家の方は「原案でいいよ」と言ったかもしれないと思うのだ。私なら言うね。

最初はどちらもこんなにヒットするとは夢にも思わなかったのだろう。劇団の方は映画化してもらえるだけで嬉しかったし、監督の方はできたらオリジナルと周囲に思ってもらいたいので、うやむや大作戦を敢行すべくクレジットを入れなかったのだと思う。

たぶん演出家が負けるね。そんな雰囲気だ。お金目当てなのかそうじゃないのかわからない。お金目当てなのかもしれない。しかしこの「着想」が許されるなら、小劇場のホンは自由自在に使い放題ということになる。

お金がどーたらは関係がない。「お行儀」の問題だ。「着想」をいただいたのならありがたいでしょーよ。挨拶はどうした。ナメてんじゃねーよということだ。

 

ある村に養鶏場を営む4姉妹が居て、その中の一人が鶏の化身だったという映画が公開されたとき、それを「『いななきの森』の盗作だ」とわめく勇気は私にはないな。(麻理枝とEricoはわめくだろうけど。)着想してくれただけでありがたいと思ってしまいそうだ。

 

というわけで、私のホンは着想し放題である。

| 羽生まゆみ | - | 16:10 | - | -
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