羽生ノート

羽生一家玉組座長・羽生まゆみが気儘に綴る日々雑感です。
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通し稽古(稽古場日記7)

さあ、ついに明日で稽古も終わる。残す通しはあと1回。

先週の今頃は絶望のどん底に居た。でも結局仕上がった。そう、いつも結局仕上がるのだ。

玉組ではいつも5回通し稽古をやってからコヤ入りするが今回は4回だった。つまり通し初日に間に合わなかったのである。通しは取りやめて、抜き稽古と止め通しをやるしかなかった。そのくらい仕上がりが遅れていた。

初通しは笑っちゃうくらい台詞をトチっていた。トチってはいたが、しかし初通しを見て仕上がると確信した。何度も芝居を創っていれば、いくらヘボ演出家でもそのくらいはわかる。なんかホント、安心した瞬間だった。

それにしても二人芝居というのは、役者には本当に大変なことなのだとあらためて痛感した。相手にまっ白悪魔が来たとき、対処するのは自分しか居ないというプレッシャーは相当なものである。

それがわかったのは、今回の通しで純一に2回も悪魔が来たからである。かわいそうなErico。見ていられなくて私は思わず台本に視線を落としたね。

それにしても純一は面白いわ。堂々と舞台上でミスる。ごまかさずにミスをやりきる。

昨日なんて舞台上で突然、キョロキョロと何かを探し始めた。

私は隣りに座っている演助の麻理枝にこっそり訊ねた。

「純一はいったい何を探しているの?」

「わかりません」

麻理枝は小道具に責任があるので、たぶん私より純一の捜し物が気になったに違いない。

通しが終わって、私はさっそく純一に訊いた。

「何を探していたの?」

純一は言った。

「立ち位置です」

「はい?」

「急に立ち位置がわからなくなって……」

捜し物は小道具ではなかった。まさかの立ち位置であった。立ち位置が、キョロキョロ探して見つかるものだろうか。びっくりである。

 

純一は今回本当によく頑張って私を笑わせてくれた。一人しかいない男子としての責任感からだろう。

いよいよ明日は最後の稽古場。いっぱい笑わせてね。

 

| 羽生まゆみ | シリウス、あるいは犬の星 | 22:05 | - | -
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