羽生ノート

羽生一家玉組座長・羽生まゆみが気儘に綴る日々雑感です。
本日も筋肉痛(体幹トレ日記94)

今日もまた筋肉痛。胸と脇が激しく痛いが、それにも増して痛いのがお尻である。最後にやらされた横跳び系ぴょんぴょん種目(サイドランジの部類?)のせいかもしれない。

ぴょんぴょん種目は苦手だけど、あちらのスタジオに通っていたころに比べたらだいぶマシになった。あちらでは若いトレーナー達にヤクルトジャンプと悪口言われていたものだ。ヤクルトの高さしか飛び上がれなかったからである。こちらでは牛乳瓶までは成長したように思える。飛んだときにふわっと感がある。

というわけで今は「目指せペットボトル」だ。一升瓶なら尚可である。

 

しかしお尻が激イタなのはぴょんぴょんのせいだけではなく、久々にやったベンチプレスも影響しているのではあるまいか。

ベンチは数ヶ月ぶりだ。前はよくやらされていたし好きだったのだが、こちらに移ってからはほとんどやらない。理由はわからんが、たぶん私があまりにもできないので諦めたのだろう。しめしめである。悔しくもなんともない。この頃すっかり「怒鳴られ疲れ」しているので、100%怒られることが決定しているベンチはやりたくない。箸より重たいものも持ちたくない。バーベルなんて冗談じゃない。

それでもやるとなれば力を振り絞る。つーか、ベンチの場合振り絞るのはお尻である。この日も「ケツを締めろ!」というご要望にお応えして、挟んだキュウリが真っ二つになるくらい振り絞った。(挟んでないけど。)で、筋肉痛だ。

 

ベンチのあとはプッシュアップだった。これはマズイ。チンニング後の腕立てもきついが、ベンチ後はもっと悲惨だ。胸と脇はすでに痛いし、腕もふにゃふにゃ状態。お尻にいたっては振り絞りすぎて半分砕けている。

案の定まったくできなかった。なんとか身体を持ち上げようとするのだが持ち上がらず、力任せに上がろうとするとフォームはめちゃくちゃである。

で、すかさずモヒカントレーナーの畳みかけるような怒声が飛ぶ。

「右肩が上がってる!」

「右肩が上がってるって言ってるだろ! 顔上げてちゃんと鏡見ろ!」

「鏡見てやれって言ってるのになんで見ないんだよ、バカ!」

バカ? 今バカって言った?

言葉の刃で袈裟懸けに斬られて、私の心は血だらけだ。

「ちゃんと見てる? 見てねーだろ!」

私はプッシュアップ姿勢のまま弱々しく口答えする。

「見てる」

「じゃあなんで右肩が上がってんだよ!」

「‥‥‥」

「返事しろ! 見てないから右肩が上がってるのがわかんないんだろ! 今上がってた? 上がってなかった? どっち?」

むーかーつーくー。

ついに私も大音声で怒鳴り返した。やっぱりプッシュアップ姿勢のまま、

「わかってるけど直せないんだよっ!」

プッシュアップ姿勢じゃなかったら、今まさにつかんでいるプッシュアップ用ブロックを投げつけてやったところだ。

 

稽古場の役者の気持ちがわかったね。これだ。

わかっているけど直せない。

 

チクショウ、涙出た。

| 羽生まゆみ | 体幹トレ日記 | 23:04 | - | -
筋肉痛(体幹トレ日記93)

毎回プッシュアップをやるのあたりまえのようになっている。あれこれやった後の「デザートの50回」みたいな時もあれば、「本日のお食事はプッシュアップのみ」のときもある。

この頃私の前の時間帯に34才の青年が入っていて、いつのまにか私のライバルである。

トレーナーが私の負けん気に火をつける。

「34才、今日は腕立て200回やった」

負けん気がボワッと燃え上がった。入会7ヶ月がトレ歴3年半の私と勝負しようとは笑止千万。

私は苦々しさを我慢しながら思った。

「踏み潰してやる」

というわけでこの日は目指せ200回。

34才はフル140回+膝つき60回だったというので、とりあえずフル150回に向かってひた走る。前に攻めるプッシュアップだ。

「攻めろ! もっと前!」

トレーナーの檄が飛ぶ。

前に攻めるプッシュアップはチョーきつい上に、筋肉痛が胸ではなく、背中側の腕の付け根に出る。とても痛い。腕の付け根という場所柄、日常生活がものすごく不便。

結果は、フル200回+膝つき20回であった。220回やっておけば当分追い越せないだろう、と心の中だけで思った。

こんな思い上がったことを声に出して言うのはまずい。トレーナーが聞いたら激怒して、34才に私を追い越させるに決まっている。私が喋ることはたとえ何気ないひと言でも彼にとっては怒りの種になるので、「何気ない」どころか今回のような本物の「上から」の場合、どのようなことになるのか考えるだに恐ろしい。

まあ私が怒りを買うのは仕方ない。私は世界一の嫌われ者だ。しかし気の毒なのは、とばっちりを受ける34才である。私をギャフンと言わせるために、きっと300回腕立てをやるはめになる。吐くよ。

 

どんなにきつくても、いや、きついからこそ、トレーニングをやっている間は現実から逃れられる。人の頭は基本一つの痛みしか感じないらしいから、筋肉痛は心の痛みを和らげたりもしてくれるのだ。

明日はトレーニングがあると思うと元気になる。

 

プッシュアップを200回やり抜けば、ミットに強いパンチを打ち込めば、自分を少し、マシな人間だと思うことができる。

 

| 羽生まゆみ | 体幹トレ日記 | 00:16 | - | -
クランクアップ

スマホチェックをすると麻理枝からメールが来ていた。

「無事クランクアップしました」

私はそのとき東京駅に向かう地下鉄の中に居た。

クランクアップ? 撮影は三日間の予定である。今日は二日目。翌日の最終日には参加するつもりで、私はロケ地である千葉に向かっていたのである。朝早く一人で千葉へ行く自信がなかったので、ビジネスホテルを予約して前日の乗り込みであった。

私は思った。取り敢えずの撮影は全部終わったからクランクアップなのね。きっと取り漏れているところを明日撮影するのだわ。

念のため私は麻理枝にメールを打った。

「明日はもう撮影ないの?」

「はい、明日はないです」

私の訊き方が悪かった。麻理枝は自分の撮影はもうないと言いたかったのだろう。他の役者はまだあるはず。たとえば純一とか優太とか佳美とか。

東京駅でうろちょろしていたら、今度はEricoから連絡がきた。私が撮影用に貸していた衣装やパソコンなどの荷物を、明日私の自宅まで持ってきてくれると言う。

そしてやっと理解した。なるほど、撮影は本当にこの日全て終わったらしい。

メールを打った。

「でもErico、私明日お家に居ないの。撮影だと思って今稲毛に向かっているから。せっかくだし、明日は千葉観光する」

Ericoのビックリが想像できて申し訳ないやら可笑しいやらであった。

Ericoとのやり取りがあり、結局私の宿泊先に荷物を持ってきてくれることになった。すまんねえ。私なりに気を遣って、みんなに黙って前日の現地入りにしたのだが、結局迷惑をかけることになってしまった。いつもそうだ。気をまわし過ぎて失敗するのが私という人間だ。

 

21時前にチェックインした。

ああ、なんという侘しいホテルだろう。

そりゃそうだ。寝るだけだからと、一人で泊まれるいっちゃん安いホテルを選んだのだ。そもそも稲毛にホテルが存在していなかった。APAホテルはなかった。ネット予約なんてやったこともないのに、泣きそうになりながら頑張ったのだ。

汚れの目立つ絨毯に、とても足を突っ込む気になれないスリッパ。なのでベッドの上に避難して、なるたけ歩かないようにした。シャワーは浴びている途中で冷たくなったり熱くなったりした。「ここは日本かっ」と思った。トイレットペーパーは残りが少ないというのにストックが見当たらず怯えた。

これまで何か書くとき簡単に侘しいという言葉を使ってきたが、これが本当の「侘しい」だと思った。身に沁みてわかった。

 

ロビーでEricoの顔を見たときは救われた気分だった。

私が部屋から降りていくと、カウンターの前で受付相手に何かこちゃこちゃやっている。荷物を宅配便で送る算段をつけてくれていたのである。段ボールをもらってくれた。これで私はこの寒い夜、段ボールを求めてコンビニめぐりをしなくてよくなった。「侘しい」と同じくらい「気が利く」が身に沁みた。いや、心に沁みた。

菅原さんとヒロも一緒に来てくれていた。四人でしばらくお喋りして、別れるときは私もついて帰りたかった。「置いていかないでーっ」なのである。

映画の勉強をしている大学生のヒロは、私たちの新しい仲間だ。Ericoがどこからか咥えてきた。今回いろいろ手伝ってくれたのだが、人見知りしないし本当に感じの良い男の子。これを縁にまた何か一緒にできればと願っている。

そして役者及びスタッフみんな、矢野監督、ありがとうね。結局私は初日しかつき合えず、しかも役立たずのまま終わってしまった。つーか、迷惑かけて終わった。

お疲れ様でした。

顔向けできないし恥ずかしいので、私はしばらく籠ります。

 

ちなみに翌日は雨で、千葉観光どころか、ホテルから徒歩3分の浅間神社にさえ行く気にならず、朝一で東京に戻ったのであった。

雨がまた、いっそう侘しさを増幅させていた。

 

| 羽生まゆみ | - | 12:26 | - | -
小さな縁

大杉漣さんが亡くなった。本当にびっくりした。

私と、役者時代の仲間たちは、転形劇場に所属していた頃の大杉さんに何度かお会いしている。公演の打上げに転形劇場の演出家、太田省吾さんと来てくださったりした。もちろん人見知りの私は話をしなくてすむように、なるたけ遠くに離れていたものだが。

当時大杉さんはまだ20代だったのだと、享年から逆算して驚いた。あの頃すでに私にとっては大スターだった。だからここ数日、TVが大杉さんのことを「長い下積み生活」だの「劇団に入ったものの開花したのは40代」などと言っているのを聞くと、なんだかとっても違和感がある。はっきり言えば、「はああ? 何言ってんの、あんた? 劇団時代を何だと思ってんの?」なのである。冗談ではない。20代でスターだったのだから、私などから見れば下積みなどなかったに等しい、演劇の神様に選ばれた役者さんである。

転形劇場がまたすごかった。日本国内だけではなく外国でも高い評価を受けていた。私は『小町風伝』と『水の駅』を観ており、所属していた劇団で『老花夜想』と『喜劇役者』を上演した。つまり私は、転形劇場がものすごく好きだったのだ。私ごときでは追いつかないレベルの高さだったが、とにかく好きだった。大杉さんはそんな劇団の役者さんだったのだ。(他にも品川徹さんや瀬川哲也さんが所属していた)

 

上京して間もない頃、小田急線の車内でばったり大杉さんにお会いしたことがある。読んでいた本から目を上げると、向かいに座っていた大杉さんと目が合ったのだ。軽く会釈してくださって、覚えていてくれたんだと天にも昇る心地だった。しかしこのときも私ったら、会釈を返したあとずっと本を読むふりをしていた。本当に失礼千万な私である。

大杉さんが小田急に乗っていたのは、梅ヶ丘に住んでいたからである。転形劇場に入団した知人の演出家夫妻んちに遊びに行ったら、「漣さん夫婦が上に住んでいる」と言う。そこは古い木造の二階建アパートメントで、ものすごく趣のある古い建物だった。間取りは忘れたけれど、広い畳の部屋と黒光りする板敷のスペースがあった。「いいなあ、ここ」と思ったのを覚えている。当然、上のお部屋も同じだったはずだ。

ああ、昔のことを思い出してしまう。つらかった稽古や、当時観たたくさんの芝居のことやなんかも。稽古場の匂いを。

 

縁とも言えない小さな縁を思い出す。

誰かが死ぬとはそういうことなのねと思う。

| 羽生まゆみ | - | 00:37 | - | -
クリスマスツリー

自宅に帰り着いたらちょうどパシュートの決勝が始まるところで、気が狂ったようにわめいた。ゴールの瞬間は感動して涙ぐんでしまった。やっぱりライブで観ると喜びが違う。3つの金メダルの中で一番ぐっときた。

ユヅ君も小平奈緒も優勝が決まった試合を生で見ることができなかったからね。

メダルの贈呈式も今回のオリンピックで初めて観た。『君が代』は、学校で歌わされていた頃は詞の意味もわからないし音程も取りづらいから好きじゃなかったが、オリンピックで聴く『君が代』はとても良い。格調の高さと厳かさったら格別である。途中で太鼓がふた叩き入るところが好きだ。あれがあるとないとじゃ大違いだと思う。

 

『サンタクロース〜』の撮影が近づいてきた。なかなか私に出る幕はないのだが、週末にテクニカルスタッフの、顔合わせと機材のチェックがあるようなので、そこに顔を出すことにした。なにか機材を持って行かないと格好がつかないが、らしいものを持っていないので仕方が無い。

道具で使うクリスマスツリーを引きずって行こうかしら。ツリーチェックも本当はしておいた方がいい。でも袋から出して組み立てる気力がないし、一度出すと二度と袋に入らないような気がして出す勇気もない。

ツリーは奇跡のように見つかった。絶対捨てたと思っていたのだが、Ericoにあそこを探してみろと言われてあそこを探したらあった。なんでEricoが私んちのあそこにツリーがあることを知っているのだ。ついでにイルミネーションも見つかった。

この間の公演でツリーに飾るイルミネーションをあんなに探したのにまさかうちにあったとは。「もうっ、買えばいいじゃん!」とわめいたのは私である。うちにあったことがバレたら金庫番の麻理枝に怒られるな。

そしてクリスマスツリーも、KAZUHOに借りた。KAZUHOさん、ごめんなさい。

 

いろんなものをすぐ捨てたくなる私だが、芝居で使えそうなものはちゃんととっておこうとあらためて決意した私であった。

でもとっておいたことを思い出せないのがこの頃の私でもある。

見つかったツリーは、何かの公演のときに女優のマチャが誰かに買わせた‥‥いや、買ってもらったものである。そんなわけでマチャのことをいろいろ思い出したりした。今、どうしているのだろう。

 

というわけでこのツリー、ずっと持っておこうと思う。マチャの思い出のために。

 

| 羽生まゆみ | - | 00:09 | - | -
本日も宣伝。ごめん

ユヅくんとウノくんで金銀取らないかなあなどと気軽に言っていたら実現してしまった。すばらしい。スポーツ新聞2紙買って余韻に浸った。

オリンピックは楽しい。ヒマさえあればTV観戦している。どの競技もどんと来いの勢いで観ている。どれもこれもみんな楽しい。

この頃のお気に入りはカー娘である。いくらじっくり観てもルールがさっぱりわからんが、それでも楽しい。勝っているから楽しいというのもあると思うけれど、なにしろ選手のみなさんが可愛らしくてよいわ。今我が家では「ナイスショッ!」からの「ありがとう」が大流行りである。隙さえあれば「ナイスショッ!」「ありがとう」と言い合っている。「ありがとう」を可愛くさわやかに言うのがポイントである。

 

電子書籍第二弾である。今回は小説。

菅原さんからは「プリンセス・ショック」との要望があったのだが、小説で試してみたいとお願いした。

小説「バックステージ」は、劇団『月とウサギ』を舞台にした3部作のうちの1本である。(2部しか完成していなくて、3部目は途中まで書いて打ち捨ててある)

ファンタジーでもなければ壮大なドラマもない。物語としてはとっても小粒な、恥ずかしながらの小品だ。

もっとも、キャラクターも文章も構成も良いけど。と、いちおう自画自賛しておく。ただ、面白いかと問われればはっきり答えることができない。そこまで思い上がってはいない。世の中は素晴らしい小説が溢れんばかりだ。

 

劇団『月とウサギ』は玉組ではない。玉組より売れているし立派な劇団である。そうしておかないと物語としてつまんないからそうした。

メグさんという女性演出家が出てくるので、これも私と重ねちゃう人が居ると思うが、はっきり「違う」と言っておきたい。才能に恵まれた演出家に設定してあるせいで、「羽生さんてば自分のことこんな風に思ってんだ」なんて誤解されるのを私は恐れる。これはあくまでも「小説」である。

もっとも稽古場の模様などは現実を参考にしてある。紙コップ入りのコーヒーを投げて演出家が自爆したエピソードなんかをね。

 

いっぱい言い訳したぞ。

傑作ではないが、きちんと書いた中編小説らしい小説だ。ドンデンも用意した。あらすじは菅原さんがまとめてくれているとおりである。(とっても上手。私はあらすじ書くのがとっても苦手)

よかったら読んでみて。感想なんか求めないから気軽にね。気軽な物語だし。きっと登場人物のことが好きになってくれると思う。

 

というわけで宣伝でした。ごめん。

 

| 羽生まゆみ | - | 22:01 | - | -
役者を見に行く

映像『サンタクロース〜』のグループラインを読んでいると何が何だかわからずとっても楽しい。撮影に向ってガシガシ打合せが行われているのだが、私にはさっぱりちんぷんかんぷんで割って入る隙がない。

芝居の場でもそうだが、スタッフや役者たちが打合せをしている姿が大好きだ。

 

なんて呑気なことを書いていたら叱られるかも。

別のことで私も打合せをした。相手は劇団Pink Noiseの代表、菅原プロデューサーだ。電話で1時間半話した。たいしたものだね、彼は。玉組を揚げるとき、彼のようなプロデユーサーが居ればよかったのに。そうしたらもう少しマシな劇団になっていたかもしれない。

私にとってのプロデューサーとは、端的に言えば「道をつけてくれる人」なのだと思う。私は次の曲がり角までしか見ていない。そこまでは必死に走る。でもそのあと右へ曲がるか左へ曲がるかを決めていないのだ。菅原さんは次の次の次の次までどっちに曲がるか決めている。そして3つ先の曲がり角を右へ曲がるためには、今どのような走り方をすればいいのかを考える。

将棋のように、先の為に今の一手がある。

 

若くない私には時間がないから、曲がり角の向こうどころか、曲がり角まで走り切れるかどうかも自信がない。短い距離で勝負をしなくてはいけないのに、新しいことをやる勇気や度胸が私には無い。

年齢を言い訳にしているが、元々そういう性格でもある。弱っちいのだ。

菅原さんの考える旗揚げ公演は、私が想像していた旗揚げ公演とは少し様相が違う。

「さあ旗揚げだーっ! 良い作品創って観客を仰天させるぞっ。みんな、私についてこい!」

というのではないのだ。

なのでPink Noiseの忘年会で「ついてこい!」なんて意気揚々と叫んじゃって少し後悔している。恥ずかしい。

Pink Noiseの旗揚げ公演は旗揚げ公演自体が目的ではなく、劇団を大きくする為の最初の一手だ。作戦として「ネット配信」が行われる。私にはイメージできない世界なのでとても心配である。

 

というわけで役者を見に行った。私の創作の源はいつでも役者だ。役者を見れば不安も和らぐ。

写真撮影をしていると聞いたのでそこへ行った。ひとりで決意してひとりで知らない場所へ行くことなどめったにない。どういう風の吹き回しなんだろう? と自分で自分に少し笑う。

京太郎と遠麻が居た。短い時間だったが楽しく見学した。撮影の現場は好きだ。玉組の撮影会では矢野さんの背後からチャチャ入れまくりの私だが、さすがにおとなしく見ていた。騒ぎたくなった時もぐっとこらえた。距離を、考えなくてはならぬ。

役者を見ていれば物語が湧いてくるはずだ。私の頭の中で、ふと耕生と京太郎と遠麻が動く。それはまだわずかだけれど、なにかがわくっと動く。いつもの感触だ。

 

これよ、これこれ、と思う。

| 羽生まゆみ | - | 02:07 | - | -
距離を測る

筋肉痛がハンパないぞ。脇(腕の付け根の部分)が特に激しく、腕が90度から上に上がらない。

昨日オーナーと一緒にトレーニングを受けたのがいかんかった。前回書いたように競争相手がいると俄然はりきってしまうのだ。相手がトレーナーだろうが、身長180僂鯆兇┐訌塲期の男子(しかもハーフやフルのマラソンレースが趣味)だろうが負けたくない。前回プッシュアップ200回の自慢話をしたばかりだが、中2日空けているとはいえ、またまたプッシュアップ競争である。

「前に攻めろ!」

攻める? 初めて聞く新鮮なダメ出しだったので、ついグイグイ攻めたらこうなった。

トレーニングのあと、三人でご飯を食べに行った。前はトレーナー達やオーナーとの距離をどのくらいに保つことが客たる私のお作法なのかわからず、食事ひとつにしても誘っていいものやら、はたまた誘われてノコノコついて行っていいものやら気を遣ったが、最近はいろいろ考えても結局わからないし疲れるだけなのであまり考えないようにしている。

考えなくなったらオーナーとはいえ、もはやボーイフレンド扱いである。この日も、

「インフルエンザ上がりにしてはなかなか良かったんじゃない?」

私はほめたつもりだったのだが、

「なんで上からなんだよ」

二人に叱られた。

調子に乗っていたぞ、私。

 

「距離」は私にとって永遠のテーマだな。

ほんとによくわからないのだ。

つい近づきすぎて、「なんか勘違いしているんじゃない?」とか「調子に乗っている」と思われるのが、私としては一番恥ずかしいパターンである。これだけは避けたい。

たとえばほら、名刺管理アプリのCM。名刺交換した相手に「友達リクエストしていいか」と訊かれて困っているという内容。先輩社員が「プライベートで仲よくなりたいわけじゃないんだよ」なんて愚痴っている。気持ちは理解できるが、私はむしろ悪口言われている人の方に同情してしまったよ。こんなこと言われていると知ったら、私なんぞ「わーーーーっ!」と叫んで走り回りたくなるね。恥ずかしくて消えて無くなりたくなるだろう。

 

役者達との距離も気をつけている。ほど良い距離にしておかないとね。

しかし先だっての公演稽古中、心の距離はもちろん物理的な距離も取らなくてはいけないことを知ってびっくりした。雅紀が「俺やじゅんじゅんはべたべた触られるのが嫌なタイプ」と言うのである。私とEricoは思わず目を見合わせた。私達はすぐ相手を抱きしめちゃうタイプだからである。そりゃ悪かったね、べたべた触って。

役者達は私に抱きしめられたいのだとばかり思っていたから、目からウロコのビックリだった。

開演時間が近づいた頃、私は挨拶に来た役者たちを抱きしめて「行っておいで」と言う。これはもう旗上げたときからのオマジナイである。今頃「いやなタイプ」と告白されても困る。そんなわけで今回はとっても困ってしまって、雅紀は握手ですませたりしてみた。純一はなるべくひっつかないように注意しながらゆるめにハグした。あーめんどくさい。玉組の伝統がここで途切れた。

余談だが、女の子たちにはしっかりこの伝統が生きている。私がお手洗いに立ち上がっただけで、オマジナイの終わっていない麻理枝と佳美は「羽生さん」と怯えた顔をする。

「まだ(客席に)行かないよ。トイレ」

「あー、びっくりした」

可愛いなあ。女の子はほんとうに可愛い。そういえば男の子でもnobは、こういう玉組の伝統を大事にしてくれたものだ。心のこもったハグだった。

 

主題がビミョーにずれてきたが、要は私は人とつきあうのが上手ではないという、これまで何百回もしてきた話である。

どーんと近づいてぶつかって、それでダメでもカラカラ笑っていられる、そんな風になれるといいけど、たぶん一生無理だ。答えの出ない距離を考えてじめじめしている一生に違いない。

知らない人に会うのも無理だ。これはもうすっかり居直って「会わない」と決めた。先が長くないことに免じて私の居直りを許してほしい。

| 羽生まゆみ | - | 01:00 | - | -
パンプアップ(体幹トレ日記92)

『サンタクロース〜』のロケ地が決まったようだ。

ロケ地とはつまり、アイビーハウスのことである。写真と動画がグループラインで送られてきたが、かなりすばらしい。これは矢野監督としては大いに創作意欲が湧くところであろう。監督じゃない私だって何かが湧きそうなんだもの。美しいお庭もある。楽しみだなあ。

あ、でも私はひっそり出しゃばらないから、みなさん安心してね。

それと、うっちぃが録音で参加する。同じグループラインで「録音技師のうっちぃです。よろしくお願いします」といううっちぃのご挨拶を読んでじわ〜んと喜びがこみ上げてきた。なんだかすんごいスタッフの陣立てだ。玉組の創生期のメンバーが居て、成熟期のメンバーが居て、ピンクノイズグループが居る。

あと作曲家のマサシとドライバーのゆかりが居たら完璧だったなあなんて、しみじみ思ったりした。

今マサシは静岡に、ゆかりは鹿児島に居る。

 

今日もトレーニング頑張ったぞ。めずらしく怒鳴られなかった。たまにはこんな日があってもいい。

本日はプッシュアップ祭り。10分間のトレッドミルとラスト5分間の腹筋運動を除く45分間、ずーーーっとプッシュアップ。トレーナーと1セット交代でプッシュアップを続けていくのだ。私は10回1セットを20セット。たった20セットと思うなかれ、正しくやる20セットは本当に過酷だよ。

トレーナーも20セットだが、もちろんやっている内容は私とは違う。1セットが10回でもない。つーか私の知らないゾーンなので、どんだけきついのか想像もつかない。プランク姿勢のままぴょんぴょん跳ねたりする。化けもんだ。

合図はスマホが出す。前にも書いたが「スリー、チュー、ワン」の声が大嫌いだ。中に入っているのはガイジンの女である。おっぱいとお尻がものすごく大きくて、そこそこ美人だがものすごくというほどでもない見た目だと思う。いったんセットすると容赦がない。こっちのヘロヘロ具合におかまいなく決められた時間になると「スリー」としゃべり出すから腹立つ。

私としては「スリー」が始まるギリギリまで回復につとめたいところだが、もちろんそうはいかない。あちらさまのプッシュアップが終わったらすぐにプランク姿勢をとらないと叱られる。そこから「スリ−」までの間、お腹が弛まないようグーでガンガン下腹にパンチを入れられる。大変なのである。

「公演が終わっても毎日3セット、プッシュアップを続ける」

エバって宣言していた純一に見せたい本日の光景であった。

 

パンプアップが見られた。あちらさまの胸板もすごいことになっていたが、私もだ。鏡に映った自分の筋肉に見とれたね。膨らみが収まるまでずっと見とれていたかったが、調子に乗っていると大どんでん返しのお怒りを買うことになるので我慢した。

あー楽しかった。

 

競争相手がいると俄然燃える私の性格が可愛らしい。

| 羽生まゆみ | 体幹トレ日記 | 10:20 | - | -
雪のせいで(体幹トレ日記91)

美しい雪景色だった。交通の不便さえなければ、たまさかの雪は趣があっていいものである。

降り落ちる雪の中、真っ白に雪化粧した永山駅近くの木立群を、寒さも感じず眺めていたよ。「しんしんと降る」とはなんと美しい日本語なのだろうなんてことを考えながらね。

九州生まれのせいだろうか、雪景色って奇跡のような光景だといつも思う。

 

こんなに美しい日だったのに、まーたトレーナーと激しく喧嘩をした。メールでやり合ったのだ。面と向かってだけでなくメールでも喧嘩をしなくてはならない。本当に忙しい。

雪のせいで16時以降のトレーニングはキャンセルにするというメールがきたのが発端である。私は18時に予約を入れてあったからキャンセルチームに該当する。

なのでお伺いのメールを打った。

「16時に行ったらダメ?」

「ダメ?」ってところに私の遠慮が醸し出ている。私は遠慮のカタマリみたいな人なのだ。

今やっているトレーニングが終わるまで返信はないだろうと思っていたのに、わりと早いうちに来た。怒りのあまりトレーニングが終わるまで待てなかったらしい。私のメールがよほどお気に召さなかったに違いない。

タイトルは『わからない人ですね』

はあーーーァ?  このタイトルを見ただけで脳天から血が噴き出た。

怒りは向こうも同じである。「雪の降り方見えてますか?」で始まるメールは私への怒りに満ちていた。

まったくわからん。こっちはたったひと言質問しただけだ。怒られる理由がわからない。

なので私もすぐさま激怒メールを打ち返してやった。ほんとに忙しい。喧嘩にエネルギー使って痩せるね。ガリガリになりそうだ。

でもまあ、早く帰ったのは正解だったけど。

夕方から雪、とんでみないことになった。

 

さて、ノブちゃんが上記の文章を読んで喜んでいるに違いない。ケラケラ笑っているだろう。

ノブちゃんは、あちらのスタジオで知り合ったお友達の一人だ。一年前のクリスマス、ノブちゃんお手製のローストチキンを食べながら、オーナーも含めて三人で、二日前に突然退社したモヒカントレーナーのことを喋ったものだ。(H26.12.28「惜しまないままに 彁仮函

私は怒りと悲しみのまっただ中。一方、店長退社をその時初めて知ったノブちゃんは、驚きながら笑っていた。私たち三人はそろって「彼はトレーナーとしては天才であった」と言い、私は「しかし彼は性格破綻者でもあった」と言った。

なんとそのノブちゃんが、こちらのスタジオに入会したのだ。嬉しいなあ。

連絡先も知らないし、ずっと会ってもいなかったのに、ノブちゃんは自力で『サンタクロース〜』の公演にも来てくれた。びっくりした。嬉しい嬉しいびっくりだった。

 

ノブちゃんとオーナーと私。結局再び、三人とも天才トレーナーの指導を受けている。

| 羽生まゆみ | 体幹トレ日記 | 01:01 | - | -
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